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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻2号

2022年02月発行

文献概要

短報

Cox比例ハザードモデルを用いた精神科救急入院パスにおけるクリティカルインディケーターの分析

著者: 松原拓郎12 岡崎勇樹1 長谷部憲一1 上山陽子1 鈴木勝彦1

所属機関: 1社会医療法人財団松原愛育会松原病院 2公益社団法人松原病院

ページ範囲:P.231 - P.234

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抄録 本邦では,精神科に新規入院する患者のうち5万人近くが毎年長期入院に移行しており,効果的な医療の改善が求められている。本稿では,当院で蓄積されたクリニカルパスのデータに対し,退院をエンドポイントとしたCox比例ハザードモデルを行い,治療に最も影響を与えるアウトカムであるクリティカルインディケーターを調査した結果を報告する。入院76日以内に症状の寛解状態を示唆するアウトカムがクリティカルインディケーターであり,未達成だと退院する確率が5割低くなることが分かった。急性期に精神症状の寛解をアウトカム設定し,医療チームで検討を重ねながら治療方針を修正していくことが長期入院を防ぐために重要である。

参考文献

1)Zander K:Integrated care pathways:eleven international trends. J Integr Care Pathways 6:101-107, 2002
2)岡本泰岳:クリニカルインディケーターとクリティカルインディケーターの利活用.日本クリニカルパス学会誌 21:27-30, 2019
3)松原拓郎,岡崎勇樹,小島瞳,他:基本アウトカムマスター(Basic Outcome Master)を用いた精神科アウトカム志向型パスの導入.精神医学 61:219-229, 2019
4)厚生労働省:「精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究」研究結果の概要.平成25〜27年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業(研究代表者:安西信雄),2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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