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特集 精神神経疾患の治療とQOL
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著者: 栗山健一1
所属機関: 1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部
ページ範囲:P.253 - P.253
近年,心身症や心疾患,膠原病,神経難病などの病態評価において,生活の質(quality of life:QOL)評価が重視されつつある。さらに,抗悪性腫瘍薬や疼痛緩和薬の開発においては,治療効果の評価にQOL指標を導入する機運が高まりつつある。認知症を含む各種精神神経疾患においても,QOLの向上が重大な治療目標であるが,複雑な病態構成要素を勘案すると治療効果の評価に導入する上でさまざまなハードルが存在する。しかしQOLを意識した治療介入は,治療に対する意欲を向上させ,治療アドヒアランスを高める効果が期待できる上,病識獲得にも直接的に寄与することも期待できる。
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