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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻4号

2022年04月発行

文献概要

特集 家族支援を考える

子どものこころの問題における家族支援

著者: 長沢崇1 細金奈奈2

所属機関: 1東京都立小児総合医療センター児童・思春期精神科 2社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育クリニック小児精神保健科

ページ範囲:P.381 - P.388

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抄録 こころの問題を抱えた子どもの診療において家族支援は重要な役割を果たす。本稿では2機関における家族支援と実際に行われている取り組みについて概説する。都立小児総合医療センターにおける入院事例では,子どもの重篤な精神症状や問題行動が家族に影響を及ぼしていることも多く,支援がより必要な家族が多い。多職種チームで綿密に情報共有し,多層的な家族支援を行っている。また摂食障害治療における家族支援の実際を紹介するほか,多機関連携の重要性についても述べる。総合母子保健センター愛育クリニックでは外来診療において養育者を支える視点を重視しており,複数の養育支援プログラムを提供している。アタッチメント理論に基づくものと行動理論に基づくものに大別されるが,「安心感の輪」子育てプログラムとCAREプログラムについて主に紹介する。そしてプログラムの要素を取り入れた養育者支援についても述べる。

参考文献

1)Sharma N, Sargent J:Overview of the Evidence Base for Family Interventions in Child Psychiatry. Child Adolesc Psychiatr Clin N Am 24:471-485, 2015
2)全国児童青年精神科医療施設協議会:ホームページ. http://jccami.jp/(2022年2月1日閲覧)
3)長沢崇,田中哲:子どもの精神科入院治療.こころの科学 200:137-141, 2018
4)全国児童青年精神科医療施設協議会:研修会報告集No.50, 2020
5)森野百合子,冨永卓男:摂食障害の入院治療プログラム—患者および家族へのグループ治療教育「アプリコットの会」の試み.児童青年精神医学とその近接領域 56:565-570, 2015
6)細金奈奈,小平雅基,齋藤万比古:児童精神科臨床における養育支援—総合母子保健センター愛育クリニックでの取り組み.精神経誌 124:28-35, 2022
7)北川恵:アタッチメントに基づく親子関係支援—サークル・オブ・セキュリティ・プログラム:在宅での支援・治療①.青木豊編著:乳幼児虐待のアセスメントと支援.岩崎学術出版社,pp101-115, 2015
8)齊藤万比古編集:注意欠如・多動性障害—ADHDの診断・治療ガイドライン第4版,じほう,2016
9)Eyberg S:Parent-child interaction therapy:integration of traditional and behavioral concerns. Child Fam Behav Ther 10:33-46, 1988
10)Gurwitch R, Messer E, Masse J, et al:Child-Adult Relationship Enhancement(CARE):an evidence-informed program for children with a history of trauma and other behavioral challenges. Child Abuse Negl 53:138-145, 2016
11)Sroufe LA:Attachment and development:a prospective, longitudinal study from birth to adulthood. Attach Hum Dev 7:349-367, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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