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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻4号

2022年04月発行

文献概要

特集 家族支援を考える

発達障害のある人の家族への支援

著者: 吉川徹12

所属機関: 1愛知県医療療育総合センター中央病院子どものこころ科(児童精神科) 2あいち発達障害者支援センター

ページ範囲:P.407 - P.414

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抄録 発達障害のある子どもの育児には,多数派の子どもの育児と比較するとより多くの大人の時間,気力,体力,経済力を要する場合が多い。このため発達障害のある子どもを育てている家族に対しては,マンパワーの確保,知識とスキルの伝達,気持ちの支えなど複数の観点からの評価と実際の支援とが必要となる。また特に気持ちの支えに関しては,専門家による支援のみでこれを充足することは難しく,ピアサポートを含む形での相補的な支援がなされることも期待される。家族が安心して地域を頼ること,家族が自分の人生を楽しむことが,ひいては子どもと家族の「こじれ」を防ぐ決め手になるのではないだろうか。本稿では家族の負担軽減に主眼を置き,発達障害のある子どもの育児に必要な家族支援について整理を試みたい。その上で成人期の発達障害者の家族に必要な支援についても,考察してみたい。

参考文献

1)Horlin C, Falkmer M, Parsons R, et al:The cost of autism spectrum disorders. PLoS ONE 9:e106552, 2014
2)Whitham C:読んで学べるADHDのペアレントトレーニング.明石書店,2002
3)井上雅彦:自閉症スペクトラムに対するペアレントトレーニング—小児の精神と神経.日本小児精神神経学会機関誌 52:313-316, 2012
4)ペアレント・メンターガイドブック作成委員会:ペアレント・メンターガイドブック.2019 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000521772.pdf(2021年2月1日閲覧)
5)斎藤環,畠中雅子:新版 ひきこもりのライフプラン.岩波書店,2020
6)境泉洋,野中俊介,山本彩,他:CRAFTひきこもりの家族支援ワークブック[改訂第二版].金剛出版,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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