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特集 家族支援を考える
統合失調症—家族の立場から
著者: 岡田久実子1
所属機関: 1公益社団法人全国精神保健福祉会連合会(通称:みんなねっと)
ページ範囲:P.423 - P.430
文献購入ページに移動抄録 統合失調症を中心とする精神障がい者を取り巻く社会状況は,新しい向精神薬の開発・普及や活用できる社会資源・福祉サービスの拡大など,少しずつではあるがよい方向に向かっているように見える。しかし,精神疾患・精神障がいがある人の家族は,精神疾患の知識が得られない中で大切な人の精神疾患の発症に直面し,病気の症状から起こるさまざまな出来事を体験する状況は変わっていない。特に統合失調症は,完治することが難しいと考えられており,病気回復の道のりは長期にわたり,そのケアの多くは家族が担っている状況も継続している。また,主な症状の幻覚・妄想など理解や対応が難しく,コミュニケーションの取りにくさもあり,共に生活する家族は多くの困難を体験する。統合失調症や精神障害への偏見から家族で抱え込み,地域で孤立する家族も多い。自身の体験と地域の家族会活動を通して見えた多くの家族の体験から,また当会のいくつかの調査結果からも,家族支援体制の充実が望まれる。
参考文献
1)全国精神保健福祉会連合会平成29年度家族支援のあり方に関する全国調査委員会:平成29年度精神障害者の自立した地域生活を推進と家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究報告書.全国精神保健福祉会連合会,2010
2)全国精神保健福祉会連合会平成29年度家族支援のあり方に関する全国調査委員会:平成29年度精神障害者の自立した地域生活を推進と家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究報告書.全国精神保健福祉会連合会,2010
3)厚生労働省:平成29年患者調査.2019 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/04.pdf(2022年2月1日閲覧)
4)全国精神保健福祉会連合会平成21年度家族支援に関する調査研究プロジェクト検委員会編:精神障害者の自立した地域生活を推進し家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究報告書—平成21年度厚生労働省障害者保健福祉推進事業自立支援調査研究プロジェクト.全国精神保健福祉会連合会,2002
5)全国精神保健福祉会連合会平成21年度家族支援に関する調査研究プロジェクト検討委員会編:精神障害者の自立した地域生活を推進し家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究報告書:平成21年度厚生労働省障害者保健福祉推進事業自立支援調査研究プロジェクト.全国精神保健福祉会連合会,2002
6)全国精神保健福祉会連合会平成29年度家族支援のあり方に関する全国調査委員会:平成29年度精神障害者の自立した地域生活を推進と家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究報告書.全国精神保健福祉会連合会,2010
7)みんなねっと:精神科医療への提言. https://seishinhoken.jp/(2022年2月1日閲覧)
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