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文献概要
増大号特集 精神科診療のピットフォール 疾患各論 うつ病
非定型うつ病
著者: 坂元薫1
所属機関: 1赤坂クリニック坂元薫うつ治療センター
ページ範囲:P.624 - P.630
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・うつ病が典型的ではないからとすぐに「非定型うつ病」と考えてしまう
・気分反応性や拒絶過敏性といった臨床特徴から,うつ病ではなくパーソナリティの問題だと決めつけてしまう
・併存(前駆)する不安症を見逃してしまう
・「双極性障害」を見逃したり,過剰診断してしまう
・休養を第一義に考えてしまう
・過度の陰性感情を持ってしまい,その結果として転帰不良となってしまう
・薬物療法を漫然と実施し,多剤併用大量処方となってしまう
・うつ病が典型的ではないからとすぐに「非定型うつ病」と考えてしまう
・気分反応性や拒絶過敏性といった臨床特徴から,うつ病ではなくパーソナリティの問題だと決めつけてしまう
・併存(前駆)する不安症を見逃してしまう
・「双極性障害」を見逃したり,過剰診断してしまう
・休養を第一義に考えてしまう
・過度の陰性感情を持ってしまい,その結果として転帰不良となってしまう
・薬物療法を漫然と実施し,多剤併用大量処方となってしまう
参考文献
1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth ed. (DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington D.C., 2013(日本精神神経学会日本語版用語監修,髙橋三郎,大野裕監訳:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)
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4)Davidson JR, Miller RD, Turnbull CD, et al:Atypial depression. Arch Gen Psychiatry 39:527-534, 1982
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6)貝谷久宣:非定型うつ病:精神科 37:259-267, 2020
7)貝谷久宣:気まぐれ「うつ病」—誤解される非定型うつ病.ちくま新書,2007
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11)坂元薫:青年期のうつ病.公衆衛生 72:359-363, 2008
12)坂元薫:ディスチミア親和型うつ病への治療的対応.精神科治療学 25:138-139, 2010
13)坂元薫:気分変調症と非定型うつ病を見分けるには?—多様化するうつ病像の見分けと治療的対応.精神科 19:464-468, 2011
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15)黒木俊秀:非定型うつ病—パーソナリティ特性・障害に関連したうつ病の診療覚書.臨床精神医学 42:841-847, 2013
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