文献詳細
文献概要
「精神医学」への手紙
所見と診断の乖離について
著者: 細川清1
所属機関: 1香川医科大学
ページ範囲:P.936 - P.936
文献購入ページに移動 所見から診断への思考過程において,その間になにか不可解な乖離を覚えることがあります。精神科診療においては稀ならず経験されるでしょう。今回,本誌10月号(63巻10号,2021年)に『非けいれん性てんかん重積が想定された,統合失調症として経過をみていた1例』を拝読し,感想をお送りしたいと思います。
いきなりで恐縮ですが,本報告の説明的なやや長い診断のタイトルが気になりました。筆者のためらいともどかしさがそのまま表現されています。当初から,「診断ありき」のようです。問題を簡潔にすると,意識障害と思われるエピソードに強い脳波異常を見出し,複雑部分発作の重延を想定され,NCSE(non convulsive status epilepticus)を疑われたのでしょう。ここでこのNCSEを論じる紙数がありませんので,拙著1)を参考にしてください。
いきなりで恐縮ですが,本報告の説明的なやや長い診断のタイトルが気になりました。筆者のためらいともどかしさがそのまま表現されています。当初から,「診断ありき」のようです。問題を簡潔にすると,意識障害と思われるエピソードに強い脳波異常を見出し,複雑部分発作の重延を想定され,NCSE(non convulsive status epilepticus)を疑われたのでしょう。ここでこのNCSEを論じる紙数がありませんので,拙著1)を参考にしてください。
参考文献
1) 細川清:脳波と精神神経症状.中山書店,2015.
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