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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻7号

2022年07月発行

文献概要

特集 Withコロナ時代の精神医学教育の進歩—卒前教育から生涯教育まで

医学生に提供することが望ましい精神医学教育の模索

著者: 市来真彦12

所属機関: 1東京医科大学学生・職員健康サポートセンター 2東京医科大学精神医学分野

ページ範囲:P.957 - P.966

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抄録 精神医学は今やすべての医療者にとって生涯にわたって学ぶことが求められる時代になっている。しかし精神医学に苦手意識を持つ学生は少なくなく,また,一般的に精神疾患に対しては偏見をもつ人が多く,将来精神科医にならない学生にとっては,学生時代の学習が精神科に対する一生のイメージを決めてしまうと言うこともできるだろう。東京医科大学精神医学分野(メンタルヘルス科)では「精神科医になるわけではない多くの学生を意識して,精神疾患に対する偏見があればそれを減じ,履修後には精神医学に生涯関心をもてるように提供されること」を目標に,2015年より教育体制の見直しを図り,屋根瓦式を根幹とする五重塔を意識した5層の教育プログラムを構築した。本稿ではその中から医学生の精神医学教育のツールとスキル(アクティブラーニング,グループワーク,eポートフォリオ,精神科OSCE)の実際を紹介してみたい。

参考文献

1)石川雄一:新保健医療への行動科学的アプローチ.日本ヘルスサイエンスセンター,1988
2)松下佳代:ディープ・アクティブラーニング.勁草書房,2015
3)田邊政裕:eポートフォリオ—医学教育での意義と利用法—.篠原出版新社,2017
4)油川ひとみ,青木昭子,ブルーヘルマンスR,他:eポートフォリオは「知的基盤型社会」を生きる学生の成長の力になれるか.東京医科大学雑誌 77:333, 2019
5)油川ひとみ,三苫博,野平知良,他:eポートフォリオを用いた臨床実習日誌の指導にあたる教員の変化について.東京医科大学雑誌 78:90, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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