文献詳細
文献概要
特集 Withコロナ時代の精神医学教育の進歩—卒前教育から生涯教育まで
インターネットを用いた精神医学教育—医療系学生を主な対象として
著者: 松崎朝樹1
所属機関: 1筑波大学医学医療系精神医学
ページ範囲:P.967 - P.973
文献購入ページに移動抄録 感染症の流行を契機に感染リスクを減らすことを目的として,多くの教育機関でeラーニングが活用されている。筆者は医療系の学生を対象とした精神医学の教育にYouTubeの動画を主に用いたeラーニングを活用してきた。動画を制作するにあたり,学ぶ者の孤独感を減らし注意集中を保つため,分節化し,視認性の高い大きな字で資料を提示し,生きいきとしたプレゼンテーションを心がけるなどの工夫に努めた。精神医学をYouTubeで扱うにあたり,興味本位の視聴を誘う不適切な扱いが精神障害者への偏見を強め得るなど注意を要する点も少なからずあった。YouTubeで公開された動画は学生の教育以外にも,臨床で患者への説明の補助にも使用でき,精神医学的な知識の普及は国民の心の健康の保持・増進や精神障害者への偏見の減少などを通して社会的に貢献し得る。本稿では,eラーニング動画を用いた精神医学教育の手法,意義および課題について報告した。
参考文献
1)今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会:心の健康問題の正しい理解のための普及啓発検討会報告書〜精神疾患を正しく理解し,新しい一歩を踏み出すために〜,pp1-43, 2004 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/04/dl/s0411-7i.pdf(2022年5月31日閲覧)
2)American Psychiatric Association:The Principles of Medical Ethics With Annotations Especially Applicable to Psychiatry 2013 Edition, p11, 2013 https://www.psychiatry.org/File%20Library/Psychiatrists/Practice/Ethics/principles-medical-ethics.pdf(2022年5月31日閲覧)
掲載誌情報