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特集 Withコロナ時代の精神医学教育の進歩—卒前教育から生涯教育まで
文献概要
抄録 2004年に開始された現行の医師臨床研修制度は2020年に改定が行われ,精神科研修は再度必修化となった。同時に病棟での研修は必須ではなくなり,専門外来ないしリエゾン・チームでの研修の必須化,さらに8週間以上の研修が望ましいとされた。直後のコロナ禍で臨床研修もさまざまな制限を受けたが,オンライン会議ツールを利用した研修機会などを積極的に増やすことや各研修施設間での協力を増やすことで研修内容の均てん化の改善にもつながることが期待できる。また,メンタルヘルスの観点から,ハイリスクである臨床研修医の支援も精神科医の役割として大きく,今後は発達障害の課題を持つ研修医の支援なども役割となっていくかもしれない。
参考文献
1)厚生労働省:医師臨床研修制度の変遷. https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hensen/(2022年5月31日閲覧)
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