文献詳細
特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する
文献概要
抄録 トランスジェンダーが抱える困りごとについて,出生時に割り当てられた性別に違和感を持つ本人の個人的問題とだけ捉えるのではなく,性別によって執拗に区分する現行の社会のあり方について問う視点が不可欠である。トランスジェンダー当事者の支援を考えるにあたっては,他の当事者と交流できる居場所の存在は重要である。交流の場は,単に悩みを打ち明けられる場というだけでなく,自分がどうしたいのかを言語化して他者に伝える力を育んだり,トランスジェンダーの存在を前提とせず設計されてきた社会のあり方そのものについて目を向けたりする機会を作る。近年では性別にかかわらず制服を選べるようにしたり,履歴書から性別欄をなくしたり,といった動きがある。多様性にひらかれたルールづくりや知恵が重要である。
参考文献
1)文部科学省:性同一性障害や性的指向・性自認に係る,児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)周知資料. https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/__icsFiles/afieldfile/2016/04/01/1369211_01.pdf(2022年6月20日閲覧)
2)大分県人権啓発マンガ冊子:りんごの色〜LGBTを知っていますか?〜.2018 https://www.pref.oita.jp/uploaded/life/2048601_2376667_misc.pdf(2022年6月20日閲覧)
3)釜野さおり,石田仁,風間孝,他:性的マイノリティについての意識2015年全国調査報告書,2016. https://www.alpha.shudo-u.ac.jp/〜kawaguch/chousa2015.pdf(2022年6月20日閲覧)
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