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雑誌詳細

文献概要

特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する

—当事者の意見(2)—性同一性障害の当事者が置かれている社会の現状と課題

著者: 近藤歩1 山本蘭1

所属機関: 1日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会

ページ範囲:P.1081 - P.1087

抄録 戸籍の性別を変更した当事者は2022年現在,1万人を超えている。当事者をめぐる状況は年々変化し中学・高校での性別の枠組みを超えた制服選択制度が広がるなど,学業の場で当事者が生きやすくなってきていると言える。その一方,長年の課題である子どもを持つ当事者の戸籍変更や性別適合手術をめぐる公的保険制度など解消していない問題もある。雇用の場ではまだまだ課題が多いと考えている。「性同一性障害」の名称は変更されるが,当事者の状況が急激に変化することはない。現状と課題を明確化することで当事者が精神的・身体的性別違和の苦しみを軽減・削減でき折り合いのつけられる生活を送れることを願っている。

参考文献

1)「中学校の制服選ぶ自由を」トランスジェンダーの願い 高校生が署名活動 https://www.tokyo-np.co.jp/article/35340(2022年6月20日閲覧)
2)和歌山県の公立高半数以上で女子制服にスラックス導入 https://mainichi.jp/articles/20201004/k00/00m/040/068000c(2022年6月20日閲覧)
3)女子生徒がスラックスも 性の多様さ理解へ,高校制服に選択制 山陰の取り組み https://mainichi.jp/articles/20201216/k00/00m/040/129000c(2022年6月20日閲覧)
4)女子生徒の制服「スラックス」選べる県立高校が増加中 https://www.asahi.com/articles/ASNDS728VNDHTNAB01G.html(2022年6月20日閲覧)
5)一般社団法人 にじーず https://24zzz-lgbt.com/(2022年6月20日閲覧)
6)「パートナーシップ制度」導入が100自治体に 性的少数者の支援に広がり https://www.tokyo-np.co.jp/article/95171(2022年6月20日閲覧)
7)性別変更,子の認知認めず 凍結精子出産めぐり東京家裁 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE286NU0Y2A220C2000000/(2022年6月20日閲覧)
8)GID/GD/トランスジェンダー当事者の医療アクセスの現状 https://teamrans.jp/pdf/tg-gid-tg-research-2020.pdf(2022年6月20日閲覧)
9)浅沼智也,近藤歩,和井はじめ,他:GID/トランスジェンダーの医療機関に関するアンケート調査結果. GID学会 第21回研究大会・総会プログラム・抄録集:43,2019
10)性別変更「同意なく明かされた」勤務先の病院提訴へ https://www.asahi.com/articles/ASM8K3JX6M8KPLZB001.html(2022年6月20日閲覧)
11)経産省性同一性障害トイレ制限訴訟控訴審判決について(2022年1月20日号) https://www.toben.or.jp/know/iinkai/seibyoudou/column/2022120.html(2022年6月20日閲覧)
12)履歴書の性別欄「男・女」の選択肢を削除へ 記入は任意に.厚労省が様式例を公表 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_607918d9e4b0deb3d5b213a7(2022年6月20日閲覧)

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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