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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻9号

2022年09月発行

文献概要

特集 学校で精神疾患を「自分のこと」として教育する

教師と精神科医で創る「心の授業」—教育医療連携による児童生徒のメンタルヘルス支援の実践報告

著者: 藤平和吉1 福田正人1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学教室

ページ範囲:P.1275 - P.1283

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抄録 教師と精神科医の連携による「子どもたちのメンタルヘルス支援」の実践活動を報告する。教師の問題意識に精神科医が応じる形で連携が始まり,精神心理学的知見の共有が学校教育現場に波及した。精神心理学な理解の向上と事例対応能力の向上は,教師のメンタルヘルス支援にも寄与し,医療機関の受診トリアージにも好影響を与えた。教師と精神科医が協同して創る「心を題材にした授業」の取り組みは,精神科の日常診療のエッセンスを学校教育に応用した「教科書の教育のその先」を見据えた実験的な試みで,児童生徒のさまざまな気づきを促した。教育医療連携で果たすべき精神科医の役割は,学校からの期待に「どう応じるか」であり,児童生徒と学校教職員の「自己存在」への支援が重要と考えられた。

参考文献

1)笠井清人,宮本有紀,福田正人(編):統合失調症UPDATE—脳・生活・人生の統合的理解にもとづく“価値医学”の最前線(別冊 医学のあゆみ).医歯薬出版,2018
2)伊勢田堯,小川一夫,長谷川憲一:生活臨床の基本.日本評論社,2012
3)田中康雄:教育現場にける精神科医の役割.臨床精神医学 36:521-525, 2007
4)Slade M:本人のリカバリーの100の支え方—精神保健従事者のガイド,第2版.  http://npsy.umin.jp/〜npsy/cgi-bin/wordpress/wp-content/themes/tokyo_univ/pdf/Japanese_version_of_100_Ways_To_Support_Recovery.pdf[2022年7月15日閲覧]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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