文献詳細
特集 精神医学における臨床研究のすゝめ—わが国で行われたさまざまな精神医学臨床研究を参考にして
診療・治療ガイドライン作成のポイント—『統合失調症薬物治療ガイドライン2022』の経験から
著者: 稲田健1
所属機関: 1北里大学医学部精神科学
ページ範囲:P.95 - P.101
文献概要
現代の医療において必要不可欠となった診療ガイドラインの定義や作成方法については,日本医療機能評価機構Mindsが,ガイドライン作成の手引きを公表している。ガイドライン作成の手引きに従った診療ガイドラインとして,『統合失調症薬物治療ガイドライン2022』があり,これは2015年に作成された初版の改訂版である。ガイドラインの作成においては,作成メンバーの選定,臨床疑問(clinical question:CQ)の設定,システマティックレビューとエビデンスの統合,推奨決定,ガイドライン本文の作成といった過程を経る。この工程の中で,システマティックレビューやメタ解析といった研究が成り立ちうる。さらに,統合失調症薬物治療ガイドラインでは,ガイドラインの普及活動「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究:Effectiveness of GUIdeline for Dissemination and Education in psychiatric treatment」(略称 EGUIDEプロジェクト)が行われており,多くの論文を公表している。
参考文献
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