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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻10号

2023年10月発行

特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか

統合失調スペクトラム症及び他の精神症群—DSM-5からDSM-5-TRへの変更点

著者: 尾関祐二1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1353 - P.1357

文献概要

抄録
 Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)の改訂は精神医学における節目の1つとなってきた。本稿は「統合失調スペクトラム症及び他の精神症群」を担当するが,その範囲内で見た場合,本文の改訂は新たな情報提供および診断基準運用の明確化を目的とした部分が多い。さらに,文化や宗教などへの記載も増えており多様性の視点が強調され,一部現象の境界に関する記載が追加されている。こうした変更は診断基準の信頼性を高めることになるが,筆者を含め使用する立場としては,変更点を踏まえ信頼性の担保の一翼を担うよう診断基準を運用する必要を再認識させられる。

参考文献

1)Insel T, Cuthbert B, Garvey M, et al:Research domain criteria(RDoC):toward a new classification framework for research on mental disorders. Am J Psychiatry 167:748-751, 2010
2)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed, Text Revision(DSM-5-TR). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2022
3)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),染矢俊幸,神庭重信,尾崎紀夫,他(訳):DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル,新訂版.医学書院,2023
4)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed(DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2013[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014]
5)American Psychiatric Association(原著),髙橋三郎,大野裕,染矢俊幸(監訳):DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル,新訂版.医学書院,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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