文献詳細
特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
統合失調スペクトラム症及び他の精神症群—DSM-5からDSM-5-TRへの変更点
著者: 尾関祐二1
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座
ページ範囲:P.1353 - P.1357
文献概要
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)の改訂は精神医学における節目の1つとなってきた。本稿は「統合失調スペクトラム症及び他の精神症群」を担当するが,その範囲内で見た場合,本文の改訂は新たな情報提供および診断基準運用の明確化を目的とした部分が多い。さらに,文化や宗教などへの記載も増えており多様性の視点が強調され,一部現象の境界に関する記載が追加されている。こうした変更は診断基準の信頼性を高めることになるが,筆者を含め使用する立場としては,変更点を踏まえ信頼性の担保の一翼を担うよう診断基準を運用する必要を再認識させられる。
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