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特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
文献概要
抄録
抑うつ症群は,悲しみあるいは易怒的な気分が存在し,その人の機能において,身体・認知が有意な変化を伴う疾患である。双極症に近いものから重篤気分調節症,うつ病,持続性抑うつ症,月経前不快気分障害,物質・医薬品誘発性抑うつ症,他の医学的状態による抑うつ症,他の特定される抑うつ症,特定不能の抑うつ症,特定用語に分けられており,変更はない。全体的には,有病率,遺伝率,環境要因,特に幼少時トラウマ・性別・差別に関する内容のアップデートが行われている。うつ病に関しては双極症の鑑別,他の医学的要因として膵臓がんが追加されている。さらに,うつ病の軽症エピソード,死別反応,身体疾患罹患による意気消沈,マタニティブルーなど,疾患と正常の境界に位置する用語について,注意が払われているのも大きな特徴と言える。
抑うつ症群は,悲しみあるいは易怒的な気分が存在し,その人の機能において,身体・認知が有意な変化を伴う疾患である。双極症に近いものから重篤気分調節症,うつ病,持続性抑うつ症,月経前不快気分障害,物質・医薬品誘発性抑うつ症,他の医学的状態による抑うつ症,他の特定される抑うつ症,特定不能の抑うつ症,特定用語に分けられており,変更はない。全体的には,有病率,遺伝率,環境要因,特に幼少時トラウマ・性別・差別に関する内容のアップデートが行われている。うつ病に関しては双極症の鑑別,他の医学的要因として膵臓がんが追加されている。さらに,うつ病の軽症エピソード,死別反応,身体疾患罹患による意気消沈,マタニティブルーなど,疾患と正常の境界に位置する用語について,注意が払われているのも大きな特徴と言える。
参考文献
1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed, Text Revision(DSM-5-TR). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2022[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),染矢俊幸,神庭重信,尾崎紀夫,他(訳):DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2023]
2)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed(DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2013[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014]
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