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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻10号

2023年10月発行

文献概要

特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか

心的外傷及びストレス因関連症群

著者: 飛鳥井望1

所属機関: 1特定医療法人社団青山会青木病院

ページ範囲:P.1383 - P.1389

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抄録
 DSM-5は,心的外傷後ストレス障害(PTSD)と急性ストレス障害を「不安障害群」から分離し,それに適応障害と子どもの反応性愛着障害および脱抑制型対人交流障害を加え,新カテゴリーの「心的外傷及びストレス因関連症群」として独立させた。DSM-5-TRにおいても本群に含まれる各病態の診断基準に特に変更点はない。またDSM-5-TRでは,DSM-5では試行的診断であった持続性複雑死別障害を,遷延性悲嘆として公式診断化し,本群に加えた。また,PTSD症状が部分的に6か月以上持続した場合に,他の特定される心的外傷関連症として新たに定義づけている。

参考文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed, Text Revision(DSM-5-TR). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2022[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),染矢俊幸,神庭重信,尾崎紀夫,他(訳):DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2023]
2)飛鳥井望:複雑性PTSDの臨床実践ガイド.日本評論社,pp 23-41, 2021
3)飛鳥井望:DSM-ⅣからDSM-5へ—PTSDとASDの変更点とその背景.トラウマティック・ストレス 12:35-42, 2014
4)飛鳥井望:暴力的死別による複雑性悲嘆の認知行動療法.トラウマティック・ストレス 6:59-65, 2008
5)Asukai N, Tsuruta N, Saito A:Pilot study on Traumatic Grief Treatment Program for Japanese women bereaved by violent death. J Trauma Stress 24:470-473, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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