文献詳細
特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
パーソナリティ障害(症)群—DSM-5-TRで本文説明の最適化
著者: 井上幸紀1
所属機関: 1大阪公立大学大学院医学研究科神経精神医学
ページ範囲:P.1439 - P.1442
文献概要
パーソナリティ障害(症)の診断は臨床的に行われ,治療は心理社会的治療を中心とし,対症療法的に薬物療法も行われる。パーソナリティ障害の診断方法には時代とともに移行が認められる。DSM-ⅣからDSM-5への改訂ではこれまでの多軸診断が廃止され,パーソナリティ障害も主診断に含まれるようになった。DSM-5のセクションⅡではDSM-Ⅳ同様,パーソナリティ障害が質的に異なる臨床症候群であるというカテゴリー(類型)分類的な観点であった。カテゴリーによる診断基準には多くの欠点が,特に研究方法としての弱点が指摘されてきた。カテゴリー分類的観点の代替案として,DSM-5のセクションⅢではディメンジョン(次元)分類的観点からパーソナリティ障害群代替DSM-5モデルが提案されている。DSM-5-TRではDSM-5と同様に10種類のパーソナリティ障害が定義され,改訂は本文説明の最適化が中心である。
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