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特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
文献概要
抄録
パラフィリア症群は,DSM-Ⅳ-TRからDSM-5へは大きな改訂があったが,DSM-5からDSM-5-TRへの改訂では,説明のテキストの一部に追補があるだけで,診断基準に変化はない。そこで,本稿では,まずこうした改訂の流れの背景,すなわち本群がしばしば犯罪と関連して法医学で扱われることや疾患と非疾患の線引きが重要となる分野であることなどの点に触れ,次にそれを踏まえてDSM-Ⅳ-TRからDSM-5への大きな改訂の要点を説明し,さらにDSM-5(およびTR)中での本群の分類構造などを概観し,診断基準までのガイドとした。そのあと,診断基準について,各文言の着眼点を述べた。最後に,DSM-5からDSM-5-TRへのテキスト部分の変更点や追補について,要点を紹介した。
パラフィリア症群は,DSM-Ⅳ-TRからDSM-5へは大きな改訂があったが,DSM-5からDSM-5-TRへの改訂では,説明のテキストの一部に追補があるだけで,診断基準に変化はない。そこで,本稿では,まずこうした改訂の流れの背景,すなわち本群がしばしば犯罪と関連して法医学で扱われることや疾患と非疾患の線引きが重要となる分野であることなどの点に触れ,次にそれを踏まえてDSM-Ⅳ-TRからDSM-5への大きな改訂の要点を説明し,さらにDSM-5(およびTR)中での本群の分類構造などを概観し,診断基準までのガイドとした。そのあと,診断基準について,各文言の着眼点を述べた。最後に,DSM-5からDSM-5-TRへのテキスト部分の変更点や追補について,要点を紹介した。
参考文献
1)神庭重信:ICD-11「精神,行動,神経発達の疾患」分類と病名の解説シリーズ:序文.精神経誌 123:38-41, 2021
2)First MB:DSM-5 and paraphilic disorders. J Am Acad Psychiatry Law Online 42:191-201, 2014
3)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th ed(DSM-Ⅳ). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 1994[髙橋三郎,大野裕,染矢俊幸(訳):DSM-Ⅳ精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,1996)
4)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed, Text Revision(DSM-5-TR). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2022[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),染矢俊幸,神庭重信,尾崎紀夫,他(訳):DSM-5-TR精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2023]
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