文献詳細
特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
医薬品誘発性運動症群及び他の医薬品有害作用,臨床的関与の対象となることのある他の状態—DSM-5からDSM-5-TRへの変更点
著者: 山田和男12
所属機関: 1東北医科薬科大学精神科学教室 2東北医科薬科大学若林病院
ページ範囲:P.1448 - P.1454
文献概要
精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)が,第5版テキスト改訂版(DSM-5-TR)へ改訂された。本稿では,第21章の「医薬品誘発性運動症群及び他の医薬品有害作用」と第22章の「臨床的関与の対象となることのある他の状態」における主な変更点について概説する。医薬品誘発性運動症群および他の医薬品有害作用では,列挙されている疾患に差異はないが,一部の診断名で名称変更がされた。また,DSM-5では説明文の記載のない,または不十分であった疾患において,疾患の特徴や鑑別診断などが追加された。臨床的関与の対象となることのある他の状態では,大項目の数が9から14に増えるとともに,一部の診断名では属する大項目の移動がみられた。また,DSM-5-TRでは,「自殺行動」,「非自殺性自傷」などの診断名が新設されたり,DSM-5の診断名が細分化されたりした。
参考文献
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