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特集 精神疾患回復の時間経過を見通す
文献概要
精神疾患患者にとって最大の関心は,「“いつ頃に”“どのくらい”回復できるか?」という見通しだろう。後者の改善の程度は予後というキーワードで臨床や研究のテーマに取り上げられるが,前者の時間経過の見通しは臨床家の経験に委ねられることが多い。回復の時間経過の見通しは当事者に安心と希望をもたらし,生活と人生についての心構えを可能にする。
医療におけるクリニカルパスは,標準化された治療の内容を患者と共有できるツールという役割に加えて,それを時間軸に沿って示すことで見通しを提供できることが有用性のポイントである。このクリニカルパスが精神医療で普及しにくいのは,「時間軸に沿った回復の見通し」の提供が精神疾患については難しいためである。
医療におけるクリニカルパスは,標準化された治療の内容を患者と共有できるツールという役割に加えて,それを時間軸に沿って示すことで見通しを提供できることが有用性のポイントである。このクリニカルパスが精神医療で普及しにくいのは,「時間軸に沿った回復の見通し」の提供が精神疾患については難しいためである。
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