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特集 精神疾患回復の時間経過を見通す
私の考える,大人の発達障害の「つまずき」と「回復」
著者: 青木省三12
所属機関: 1公益財団法人慈圭会 精神医学研究所 2公益財団法人慈圭会 慈圭病院
ページ範囲:P.1537 - P.1545
文献購入ページに移動大人の発達障害の「つまずき」(適応障害や二次障害)とその「回復」について記した。経過は,持って生まれた発達特性に,心理社会的な負荷が加わり,特性と負荷が組み合わさって,その人独特の困った状態となり,反応性に精神症状が出現した,と考えると理解しやすい。短期的には,生活の回復と精神症状の消失とは連動していることが多く,現実の生活の困難に気づき支援することが大切となる。長期的には,反応性に起こった精神症状を,一回一回,短期間で終わらせるような支援が大切となる。生活の困難が続くと,それに反応するように精神症状も長期化・慢性化していくことがある。支援においては,生活相談を通して少しでも平和で安定した生活となることや,職人や趣味人というような生き方などが大切になると考えた。
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