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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻12号

2023年12月発行

文献概要

特集 精神科領域の専門資格—どうやって取得し,どのように臨床へ活かすか

精神分析に関連する資格

著者: 池田暁史1

所属機関: 1大正大学

ページ範囲:P.1646 - P.1651

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抄録
 本稿では,主に日本国内で取得が可能な精神分析に関連する専門制度について解説する。国内の主要な精神分析関連団体として,日本精神分析協会と日本精神分析学会がある。前者は国際基準に基づく,週4回以上のカウチを用いた精神分析を実践する精神分析家を中心に構成される組織であり,後者は週1回の精神分析的精神療法を中心的実践とする臨床家から成る組織である。前者は,精神分析家と精神分析的精神療法家という2つの資格を有し,後者は認定精神療法医という認定制度を有する。患者の無意識を扱う精神分析臨床においては,治療者自身が分析的セラピーを受けることが訓練の一部として求められている。前者の2つの資格は要件にそうした訓練を含んでいるが,後者はそれを含んでいない。後者の在りようは世界的には非常に特異なものであり,そこに日本の精神分析のユニークさと曖昧さがあると言える。

参考文献

1)日本精神分析協会:訓練コースのご案内 https://www.jpas.jp/training.html[2023年8月1日閲覧]
2)日本精神分析学会運営委員会,日本精神分析学会認定制度委員会:日本精神分析学会認定審査規程集.日本精神分析学会,2023
3)Campanile P, Carmody C:On the Origins of the 《Eitingon Model》 of Psychoanalytic Training. The Italian Psychoanalytic Annual 6:91-109, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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