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特集 精神科領域の専門資格—どうやって取得し,どのように臨床へ活かすか
認知行動療法の専門資格
著者: 豊見山泰史1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院精神病態医学
ページ範囲:P.1652 - P.1657
文献購入ページに移動抄録
認知行動療法は,世界で広く実践されている心理療法の1つである。科学的な治療効果の裏付けに基づき,本邦でも一定の条件を満たす場合には保険診療としての実施が可能になっている。多くの精神疾患・メンタルヘルス上の問題に対する有効性が示され,社会的なニーズも大きいにもかかわらず,治療を提供できる医療者が少ないことが現在の課題の1つと考えられる。治療の質の担保や治療者の育成についての検討がなされ,関連した資格が整備されつつある。本稿では,代表的な資格として厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザーと,日本認知・行動療法学会が認定する認知行動療法師®を中心に紹介する。
認知行動療法は,世界で広く実践されている心理療法の1つである。科学的な治療効果の裏付けに基づき,本邦でも一定の条件を満たす場合には保険診療としての実施が可能になっている。多くの精神疾患・メンタルヘルス上の問題に対する有効性が示され,社会的なニーズも大きいにもかかわらず,治療を提供できる医療者が少ないことが現在の課題の1つと考えられる。治療の質の担保や治療者の育成についての検討がなされ,関連した資格が整備されつつある。本稿では,代表的な資格として厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザーと,日本認知・行動療法学会が認定する認知行動療法師®を中心に紹介する。
参考文献
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