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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻12号

2023年12月発行

文献概要

特集 精神科領域の専門資格—どうやって取得し,どのように臨床へ活かすか

臨床に活かそう てんかん専門医

著者: 村田佳子1 渡辺雅子2

所属機関: 1埼玉医科大学病院神経精神科・心療内科 2新宿神経クリニック

ページ範囲:P.1664 - P.1668

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抄録
 てんかんは,てんかん発作を引き起こす慢性脳疾患であり,患者の約30%に精神・行動の変化を伴いQOLを損なう。てんかん診療に携わる精神科医は減少傾向にあるが,てんかんに併存する精神症状の診療や心理社会的問題の対応における精神科医の重要性は変わらない。てんかんに併存する精神症状の改善はQOLの改善につながる。また,患者の呈する精神症状がてんかん発作症状であることがあり,精神科においてもてんかん診療の素養は求められる。てんかん診療に欠かせない脳波検査は,器質性精神障害の鑑別に有用である。てんかん専門医の研修は単位制であり,てんかん専門医指導医の指導の下で各医師の勤務状況に合わせて研修が可能である。

参考文献

1)日本てんかん学会(編):てんかん専門医ハンドブック改定,第2版—てんかんにかかわる医師のための基本知識.診断と治療社,pp 51-54, 2020
2)Gilliam F, Hecimovic H, Sheline Y:Psychiatric comorbidity, health, and function in epilepsy. Epilepsy & Behavior 4:S26-S30, 2003
3)日本てんかん学会:てんかん専門医制度に関する規則.てんかん研究 41:58-60, 2023
4)地引逸亀,馬場啓至:学会認定医(専門医)のはじまりから現在.日本てんかん学会の歴史,日本てんかん学会50周年を記念して.50周年記念誌編集委員会,診断と治療社,pp 30-32, 2016
5)兼本浩祐:脳波判読の訓練について.精神科治療学 35:1223-1227, 2020
6)兼本浩祐:精神科医にとってのてんかん診療の意味.臨床精神医学 46:821-828, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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