文献詳細
古典紹介
—シャルル・ラセーグ—ヒステリー性拒食症について【第1回】
著者: 西依康1 稲川優多1 加藤敏2
所属機関: 1自治医科大学精神医学講座 2小山富士見台病院
ページ範囲:P.1685 - P.1693
文献概要
この手続きを,特定の時間,特定の場所と局在,特定の現象様態に限定された病態に適応する場合にはあまりに問題が多いのだが,本論での使用は妥当なものである。私はすでに,ヒステリーの性状をもつ咳と一過性のカタレプシーの特徴を挙げようと努めた。他の人々は,片麻痺,一過性ないし持続性の拘縮,知覚麻痺などを扱った貴重な個別研究を行ってきた。今回私は,1つの症状複合を扱うつもりである。これは,例外的な偶発事だとするにはあまりに頻繁に観察されるものであり,加えて,われわれがヒステリー症者の精神的布置の内奥に入り込むことができるという利点を持っている。
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