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特集 精神医療・精神医学の組織文化のパラダイムシフト
精神科診療所の機能のパラダイムシフト
著者: 上ノ山一寛1
所属機関: 1医療法人遙山会南彦根クリニック
ページ範囲:P.185 - P.191
文献購入ページに移動精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築にあたって,全国に展開した精神科診療所を,有力な社会資源と位置づけた,わが国独自の精神保健医療福祉体制の構築が望まれる。今日いじめ・不登校,母子保健・子育て,高齢・介護,生活困窮者支援などのさまざまな領域において,メンタルヘルスの問題が表面化してきている。精神科診療所は多様な精神疾患への医療サービスの提供にとどまらず,保健予防サービスや障害福祉サービスを含めた幅広い領域をカバーし連携していくことが期待される。
わが国にはキャッチメントエリアは存在しないが,精神科診療所医師はゆるやかなキャッチメントエリアを設定し,アウトリーチやケアマネジメント技能の革新を通して自分たちの活動する地域に責任を持つことがパラダイムシフトにつながる。そのことが市町村の責任と相まって,コミュニティメンタルヘルスチームの創出につながることを期待したい。
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