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文献概要
特集 精神医療・精神医学の組織文化のパラダイムシフト
社会福祉法人で取り組んだ組織文化
著者: 近藤伸介12 田尾有樹子1
所属機関: 1社会福祉法人巣立ち会 2東京大学医学部附属病院精神神経科
ページ範囲:P.207 - P.213
文献購入ページに移動社会福祉法人巣立ち会は,1992年の発足から一貫して「支援がないなら作り出す」という精神で利用者のニーズに応じたサービスを創出してきた。病院からは退院は無理と言われ,家族からは退院を拒まれて,地域に住むところを探しても見つからないという長期入院者に対して,まず住む場所を確保するところからスタートした。現在では87室のグループホームを運営し,これまでに330名以上の長期入院者が当法人の退院支援を受けて実際に地域へと退院した。その後,急増するうつ病患者への地域資源が不足していることから,うつ病専門の事業所を設立した。さらに,早期介入を目指した若者支援や,福祉サービスモデルを脱却したリカバリーカレッジの運営にも挑んでいる。こうした組織文化を支えているのは,精神障害があっても自立して地域で生活できる,という信念であり,支援を求めてくる人を断らないという基本姿勢である。
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