文献詳細
特集 災害精神医学—自然災害,人為災害,感染症パンデミックとこころのケア
文献概要
抄録
2018年の西日本豪雨において,岡山県では倉敷市真備地区に被害が集中した。このため,岡山県ではこの地域に対する災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動を行った。具体的な支援としては,避難所における適応障害への巡回チームによる診察が多かった。支援ニーズは,避難所の保健師からの依頼が中心であった。実際のDPAT活動の調整に際しては,情報の錯綜と混乱が著しく,支援調整には苦慮した。こうした困難の要因としては,①災害対応体制の準備の不足,②活動拠点本部の設置など役割分担が十分にできなかったこと,③情報の収集,共有と指示に関する混乱,④支援機関が多く,連携体制が十分にできなかったこと,などがあった。災害に対する準備と訓練をすることで,こうした課題を改善することは可能である。しかし,災害では想定外の事態が生じうるため,不測の事態が起きうることを念頭に置きつつ,対応を準備することが大切である。
2018年の西日本豪雨において,岡山県では倉敷市真備地区に被害が集中した。このため,岡山県ではこの地域に対する災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動を行った。具体的な支援としては,避難所における適応障害への巡回チームによる診察が多かった。支援ニーズは,避難所の保健師からの依頼が中心であった。実際のDPAT活動の調整に際しては,情報の錯綜と混乱が著しく,支援調整には苦慮した。こうした困難の要因としては,①災害対応体制の準備の不足,②活動拠点本部の設置など役割分担が十分にできなかったこと,③情報の収集,共有と指示に関する混乱,④支援機関が多く,連携体制が十分にできなかったこと,などがあった。災害に対する準備と訓練をすることで,こうした課題を改善することは可能である。しかし,災害では想定外の事態が生じうるため,不測の事態が起きうることを念頭に置きつつ,対応を準備することが大切である。
参考文献
1)岡山県:平成30年7月豪雨災害記録誌,2020 https://www.pref.okayama.jp/page/653529.html[2022年12月11日閲覧]
2)野口正行:岡山県におけるDPAT活動について.精神神経誌122:378-385, 2020
3)日本精神科病院協会DPAT事務局:DPAT活動マニュアルver 3.0,2022 https://www.dpat.jp/images/dpat_documents/3_220415.pdf[2022年12月11日閲覧]
4)日本精神科病院協会DPAT事務局:災害派遣精神医療チーム(DPAT)eラーニング研修テキスト,2020
掲載誌情報