発達障害という言葉が,最近では一般に浸透したと言える。日常用語になってきた一方で,使用する人によって指し示す内容にいくらかの相違があるのも事実である。どのような文脈で用いられるかにも留意する必要があろう。
また,以前に考えられていたより頻度が高いことも共通認識になっていると思う。たとえば,2022年の文部科学省の調査では,限局性学習症,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)および自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)のスクリーニングに使用するLDI-R,ADHD-RSおよびASSQという質問紙を用いて通常学級の小・中学生を評価したところ,カットオフを超えた者の頻度は8.8%であった。知的発達症をはじめとするその他の発達障害を含めると,発達障害全体で頻度は10%以上と思われる。診断基準には達しないものの発達障害と連続する発達特性があって一定の配慮を要する者も含むと,その頻度はさらに高くなるだろう。大人の発達障害もまれではなく,発達障害はすべての精神科医にとって患者の理解に必要な視点の1つと思われる。
雑誌目次
精神医学65巻5号
2023年05月発行
雑誌目次
増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98
特集にあたって フリーアクセス
著者: 金生由紀子
ページ範囲:P.515 - P.515
1 概念
Q1 発達障害の定義はどのようになっていますか?
著者: 小川しおり , 岡田俊
ページ範囲:P.518 - P.521
A 発達障害とは,身体的,精神的な発達に影響を与える生来性の脳機能の障害を表し,遺伝的・環境的要因の組み合わせによって引き起こされます。コミュニケーション能力,学習能力,身辺自立機能に支障をきたしますが,その程度は個人によって異なります。知的発達症,自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症,限局性学習症,運動症があり,ライフステージに合わせた切れ目のない支援が必要です。発達障害という用語は医療,福祉,教育など分野により多義的です。
Q2 それぞれの発達障害の違いは何ですか?
著者: 松本英夫
ページ範囲:P.522 - P.526
A 発達障害(神経発達症,neurodevelopmental disorders)には自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などを中心に疾病分類がなされています。それぞれの臨床的な特徴は診断基準に具体的に明記されているので,相違点は比較的理解しやすいと思います。それよりも臨床上で重要なことは,まず発達障害に共通する特徴を理解することです。すなわち,①症状は年齢とともに刻々と変化する,②適応の程度は,環境とのかかわりや養育の在り方,療育などによって著しい幅が生じる,③それぞれの特性はスペクトラムである,④したがって,診断閾値以下の特性を持つ児・者が数多く存在する,⑤知的能力のばらつき(distortion)が認められることが多い(図1),⑥神経発達症はASDとADHDを中心に互いに併存することが多い(図2),です。
Q3 発達障害の長所と言える点は何がありますか?
著者: 杉本佳織 , 宇佐美政英
ページ範囲:P.527 - P.530
A 当然のことですが,発達障害であろうがなかろうが,どんな人にも長所と言える点はたくさんあります。しかしながら,発達障害の社会的認知の広がりとともに,多くの人たちがさまざまな遅れや偏りを「弱み」や日常生活上の問題と捉え,治療や支援の対象としてきました。発達障害の「弱み」は時によっては「強み」になることもあり,我々支援者が発達障害児・者の症状だけでなく,その「強み」に注目することが重要です。
Q4 大人になって発達障害が発症することはありますか?
著者: 幅田加以瑛 , 福元進太郎 , 小坂浩隆
ページ範囲:P.531 - P.534
A 大人になってから突然に発達障害を発症することはありえません。その意味では,答えは「No」です。しかし,幼少期にすでに発達障害の特性があったのに気づかれず,大人になって就職や結婚などの過程やストレスで発達障害の特性が顕在化し,初めて発達障害の診断名がつく場合があります。よって,診断がついていたか,新たに診断がつくかという事象であれば,答えは「Yes」となります。
Q5 発達障害児・者の予後と転帰の所見について教えてください
著者: 浦谷光裕 , 飯田順三
ページ範囲:P.535 - P.539
A 発達障害は生涯にわたり症状が持続すると考えられていますが,その中核症状は年齢とともにある程度の改善がみられることが多いです。しかし青年期や成人期には社会的,職業的により複雑な要求に直面することで,心理社会的機能への影響はより顕著なものとなります。よって,青年期や成人期における発達障害の転帰はしばしば不良となるため,適切な支援を継続する必要があります。
Q6 発達障害の概念が現れたのはいつ頃ですか?
著者: 近藤毅
ページ範囲:P.540 - P.543
A 自閉スペクトラム症は早期幼児自閉症(Kanner,1943)の概念に起源を発し,同時期の自閉的精神病質(Asperger,1944)の概念はウィング(1981)によりアスペルガー症候群として再興されました。注意欠如・多動症は,20世紀初頭のスティル氏病や脳炎後遺症による児童の行動障害に端を発し,微細脳機能障害(1962)の概念を生んだ後は,器質論を離れて多動性障害(DSM-Ⅱ, 1968)へ展開し現在に至っています。
Q7 グレーゾーンという言葉を聞きますが,どう考えたらよいのでしょうか?
著者: 今村明
ページ範囲:P.544 - P.546
A 「グレーゾーン」という言葉に明確な定義はありませんが,一般に発達障害と定型発達の中間の領域を指すものとして認識されています。この概念は,これまで周囲から理解されず,必要な支援が得られなかった人たちにとって有益となる場合がありますが,一方で本当は支援が必要なのに放置されてしまうリスクもはらんでおり,注意が必要と思われます。
2 疫学
Q8 発達障害の有病率はどうなっていますか?
著者: 篠山大明
ページ範囲:P.548 - P.552
A 自閉スペクトラム症の世界的な有病率は約1.0%であり,年々増加しています。地域差も大きく,近年の調査によると,米国の8歳児では2.3%,日本の5歳児では3.2%です。注意欠如・多動症の有病率も増加傾向にあり,子どもで5〜7%,成人で3%程度です。学齢期における限局性学習症の有病率は世界的には5〜15%であり,日本では知的障害がない小中学生の6%以上が学習面で著しい困難を示しています。
Q9 発達障害はなぜ増えているのですか?
著者: 松浦直己
ページ範囲:P.553 - P.555
A 発達障害が増えているという確実なエビデンスはありません。しかし「発達障害と診断される方」や,「特別な支援が必要な方」は増えています。その理由として①発達障害に対する理解,すなわち社会的認知度が高まったことで,「増えた」というように認識されている(誤謬の可能性),②発達障害の症状は多様で他の障害と合併しやすく,診断概念の拡大や診断の閾値が下がることで,増加している,と捉えられている可能性があります。
3 病態
Q10 「発達障害は遺伝しますか?」という質問にどのようにアドバイスすべきでしょうか?
著者: 石塚佳奈子
ページ範囲:P.558 - P.560
A しばしば目元が父親にそっくりだ,口元は母親に似ているなどと言いますね。でも親子や兄弟姉妹がそっくりそのままのことはありません。行動特性で診断される発達障害も同様で,親子や兄弟姉妹は一般人口より同じ診断を受けがちですが,行動の特徴や困りごとはさまざまです。見た目や行動,体質のような,明確に切り分けることができない性質は,両方の親から受け継いだ遺伝情報の影響を受けつつも,特定できる要因によるものではないことがわかっています。
Q11 統合失調症や双極性障害などの精神疾患と発達障害に遺伝的関連はあるのでしょうか?
著者: 古川佐和子 , 久島周 , 尾崎紀夫
ページ範囲:P.561 - P.563
A 自閉スペクトラム症(ASD)の患者は,定型発達者と比較して,その後,統合失調症を発症するリスクが高いこと,統合失調症や双極性障害の家族歴があると,ASDの発症リスクが上がることが知られています。頻度のまれなゲノムコピー数バリアント(CNV)のASD,知的能力障害,統合失調症,双極性障害への関与が明らかになっており,同じCNVをもつ患者でも人によりASD,統合失調症と異なる診断名をもつことがあります。
Q12 発達障害に育て方の影響はありますか?
著者: 八木淳子
ページ範囲:P.564 - P.566
A この問いを「発達障害が発症する主要な原因は育て方にあるのか?」と言い換えれば,その答えは「いいえ」になります。発達障害は,遺伝的要因(生まれつき)が関与する脳機能の違いにより,幼少期から行動面や情緒面,認知面に特徴(困難)がみられる状態であり,親の育て方が原因で発達障害が発症するわけではありません。一方で,不適切な養育やアタッチメントの問題が発達に影響を及ぼすことも知られてきています。
Q13 妊娠中のアルコールや喫煙,治療薬が発達障害の原因になりますか?
著者: 末田慶太朗
ページ範囲:P.567 - P.568
A 妊娠中のアルコール,喫煙,また,バルプロ酸など,一部の治療薬は発達障害の発症リスクが高くなる可能性が報告されています。つまり,これらは発達障害の原因になる可能性があります。
Q14 肥満は発達障害と関係がありますか?
著者: 井原裕
ページ範囲:P.569 - P.570
A 発達障害者は,定型発達者に勝るとも劣らず,肥満と関係があります1)。たとえば,140人の7〜18歳の日本人自閉スペクトラム症(ASD)児童の25%が肥満で2),特別支援学校在籍の413人(6〜17歳)の自閉スペクトラム症(ASD)児童のうち,男子22%,女子11%が肥満であったとされます3)。文部科学省の学校保健調査が示す肥満度は,高い年でも11%程度ですから,それより高いと思われます。
Q15 発達障害は自殺のリスクが高いですか?
著者: 木本啓太郎 , 三上克央
ページ範囲:P.571 - P.572
A 発達障害のなかで,自殺関連行動(自殺念慮,自殺未遂,自殺既遂)が問題となるのは,自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症です。最近の系統的レビューによると,自閉スペクトラム症の自殺関連行動の危険性は高いです。さらに,注意欠如・多動症と自殺関連行動には有意な関係があります。
Q16 発達障害の病因について,どのような説が考えられているのか教えてください
著者: 池原実伸 , 山室和彦
ページ範囲:P.573 - P.576
A 自閉スペクトラム症(ASD)および注意欠如・多動症(ADHD)は発症要因として遺伝的要因だけではなく,環境要因やエピジェネティック作用も関与していることが示唆されています。近年の生物学的な研究により,ASDには神経細胞のシナプス機能や免疫系異常,mTORシグナルに関する知見などが報告されていますし,ADHDではドパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達の異常がその病態に関与していると考えられています。
Q17 自閉スペクトラム症をBPSモデルで解釈するとどのようになりますか?
著者: 森本芳郎 , 山本直毅 , 今村明
ページ範囲:P.577 - P.580
A BPS(bio-psycho-social)モデルは疾患を生物学的な側面,心理学的な側面,社会的な側面の3つの側面から包括的に捉える疾患モデルです。BPSモデルを念頭に置いて症例を見立てていくことにより,症例を多角的な方向から検討し,より全人的なケアプランを作成することができるようになります。しかし,臨床現場でBPSモデルをうまく活用していくにはいくつかの注意点があります。
4 診断
Q18 発達障害を疑った時,どんな心理検査を実施するのがよいでしょうか?
著者: 小西海香
ページ範囲:P.582 - P.586
A 発達障害が疑われた時,まず実施する心理検査は知能検査です。特に,ウェクスラー式知能検査では総IQだけでなく,下位検査の評価点のバラツキを見ることができます。ただし,検査の結果数値だけを見るのではなく,どのように回答したかという反応を詳しく評価することが重要です。成人の場合には,これらの客観的評価のほか自記式質問紙による主観的評価を行い,自身の問題についてどのように感じているのかを聴取し,検査結果と一致しているかを確認するとよいでしょう。
Q19 発達障害(神経発達症)の診断に,血液検査や脳波検査,脳画像検査などの生物学的検査は有用ですか?
著者: 笠原寛之 , 江川純 , 染矢俊幸
ページ範囲:P.587 - P.588
A 現在,発達障害(神経発達症)の診断に使用できる生物学的検査は存在しませんが,自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)において,生化学的所見としてはサイトカイン,成長因子,酸化ストレス,神経伝達物質,および副腎皮質ホルモン,神経生理学的所見としては脳波や注視点計測,脳神経画像としては機能的MRI(fMRI)や機能的近赤外分光法(fNIRS)における所見などの生物学的検査への応用に向けた研究が進んでいます。
Q20 日常臨床の発達障害の診断に使いやすいツールを教えてください
著者: 佐々木剛
ページ範囲:P.589 - P.591
A M-CHAT,SRS,PARS-TR,ADHD-RS,CAARSなどがありますが,確定診断に利用できる生物学的マーカーが特定されていないため,類似疾患や問題の鑑別には,親や教師(子ども),同僚や上司(成人)による評価,友人関係の評価,学校の教育環境や家庭の養育能力(子ども),職場環境やパートナーや家族との関係(成人)などを評価した上で,患者への問診,行動評価を多面的に実施することが重要です。
Q21 発達障害の診断を子どもと親に告知する際に留意するポイントを教えてください
著者: 岡琢哉 , 竹内翔吾
ページ範囲:P.592 - P.594
A 告知に際しては「告知を行う時期として適切かどうか」「告知を受けるための準備が事前に十分に整っているか」という2点に留意すべきです。これらを評価するためには,本人・家族・支援者それぞれの理解力と抱える力に注目することが必要です。
Q22 クリニックでの発達障害を疑われる患者さんへの対応のコツを教えてください
著者: 蜂矢百合子 , 内山登紀夫
ページ範囲:P.595 - P.599
A 精神科クリニックにおいて患者に発達障害が疑われる状況は,発達障害の有無が主訴となるケースと,本人の相談したいことは発達障害の診断評価ではないケースの両方があります。後者では,発達障害診断が必要な場合,特性の存在を患者と共有することが有用な場合,特性があるという視点が臨床上有用な場合に分けて考察しましょう。診断の際には,知的水準・性別・併存症などにより多様な表現型を示すことに留意することが求められます。
Q23 精神科救急での発達障害を疑われる患者さんへの対応のコツを教えてください
著者: 泉本雄司 , 増本直希
ページ範囲:P.600 - P.601
A 家庭・地域対応が困難となるほどの情緒と行動上の問題のため救急受診となった場合,入院の必要性の判断が重要です。診察で情緒的な安定が得られず,また併存する精神疾患の影響が強い場合は入院の適応となります。診察時に落ち着いている場合でも,受診に至る原因となった心理的負荷を推定し,より適切な対処行動や環境調整,関係機関の支援の在り方をその場で調整します。もしそれが救急外来の場でできなければ入院治療を検討するとよいでしょう。
Q24 身体科入院中で発達障害を疑われる患者さんへの対応のコツを教えてください
著者: 山田敦朗
ページ範囲:P.602 - P.603
A 発達障害の診断がついておらず精神科受診歴がないケースでは,慎重な対応が求められます。コミュニケーションがうまくとれない,こだわりが強いという理由だけからコンサルトされる場合もあります。診断を進めていく前に,その患者自身が入院によって困っていることを確認し,どんな支援ができるかを第一に考えることが重要です。発達障害を疑うのであれば,その特性を踏まえた対応を医療スタッフ間で共有することが大切です。
Q25 単科精神科病院で長期入院中の発達障害を疑われる患者さんへの対応のコツを教えてください
著者: 岡田和史
ページ範囲:P.604 - P.605
A 単科精神科病院で長期入院中の患者さんには以下の4つを念頭に対応するのがよいでしょう。①発達障害の可能性について頭の隅に置いておくこと,②年配の患者さんであっても,生育歴や教育歴,発症初期の症状や発病前の社会適応のレベルなどを振り返ってみること,③自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)など発達障害の特性から現在の症状や問題行動が説明できないか,あるいはそれに基づいた対応の仕方を考えてトライしてみること,④発達障害と統合失調症など他の精神障害は併存しうるので,向精神薬の減量は慎重に行うこと。
Q26 仕事がなかなか覚えられない場合,学習能力に問題があるように思われますがどのように評価していったらよいのでしょうか?
著者: 宮尾益知
ページ範囲:P.606 - P.608
A どのような状況が多いのか,考えていきましょう。①なぜ仕事をしなければいけないのかが理解できていない,②仕事の内容と目的を理解していない,③メモをとらない,あるいは,うまくとることができない,見返すことをしない,④わからないことをそのままにしてしまう,⑤仕事に対する興味がない,⑥職場に長時間労働やパワハラが横行している,あるいは,職場での教育体制ができていない,などが考えられます。
Q27 学習の困難を主訴に受診されましたが,どのように評価して診断したらよいでしょうか?
著者: 柳生一自
ページ範囲:P.609 - P.611
A 学習の困難は,本人のさまざまな特性あるいは環境要因によって生じます。したがって丁寧な問診,必要に応じてスクリーニングを目的とした質問紙などを用いて評価を進めていきます。知的能力障害や特異的な学習の障害が疑われる時には,適切な検査バッテリーを用いて評価を行う必要があります。診断,アセスメント後には治療や支援,さらに合理的配慮についても検討するとよいでしょう。
Q28 「著しく不器用で日常生活や仕事で困る」とのことですがどのように評価して診断したらよいでしょうか?
著者: 直井高歩
ページ範囲:P.612 - P.614
A 成人用の診断基準はありませんが,DSM-5やICD-11では成人も包括されています。不器用さが明らか,日常生活に支障がある,小児期より認める,神経筋疾患などではない,などが診断に必要です。残念ながら,日本で標準化された成人対象の評価・検査ツールはまだありません。そのため,①幼少期からの様子を確認,②他疾患を鑑別,③生活上の問題を把握,④運動機能を検査,の手順で総合的に診断します。
Q29 「著しく不器用で日常生活や学習で困ることがしばしばです」と受診されました。どのように評価して診断したらよいでしょうか?
著者: 前田洋佐
ページ範囲:P.615 - P.617
A 協調運動の問題が生じうる身体疾患(神経・筋・代謝内分泌など)を除外します。発達・知能検査などから知的水準を把握します。DCDQ・MABC-2などの国際標準のアセスメントツールが臨床使用できない現時点において,協調運動の個別検査が実施困難な施設では,外来診療で可能な範囲の微細神経学的徴候と眼球運動の簡易評価,巧緻性・粗大運動・感覚面の問診と観察,視知覚・視覚認知に関連する心理アセスメントの項目などにより評価・助言を行います。
Q30 大人のチックの診断はどのように行いますか?
著者: 上床輝久
ページ範囲:P.618 - P.620
A 発達・生活歴の聴取により幼少期からのチックの有無を確認するとともに,他のチックを生じる身体疾患などを除外します。強迫症や依存症,注意欠如・多動症などの併存疾患を評価し,その人を取り巻く環境がチックを介してどのようにその人の生活・職業に影響を与えているかということに注目しながら診察します。チックの重症度を評価するための評価尺度を用いる場合もあります。
Q31 子どものチックの診断のポイントを教えてください
著者: 新井卓
ページ範囲:P.621 - P.623
A チックは,突発的,急速,反復性,非律動性の運動あるいは発声と定義されます。診断の決め手はその性状となりますが,主な除外診断として,てんかんが挙げられます。顔や四肢体幹の動きおよび発声があり,運動チックと音声チックが慢性的(1年以上の持続)に出現する場合,トゥレット症候群となります。また,通常不随意運動と言われていますが,一時的,部分的に自制が可能であり,正確には半随意とされる点も診断の決め手に挙げられます。
Q32 患者さんに発達障害についてどう伝えるとよいでしょうか?
著者: 間宮由真
ページ範囲:P.624 - P.625
ここでは,大人を対象とする精神科外来で遭遇しやすい知的障害を伴わない比較的軽症の自閉スペクトラム症(DSM-5で定義される重症度水準「レベル1」程度,ICD-11では6A02.0に相当する)や注意欠如・多動症,もしくは診断閾値以下と考えられるケースを想定して質問に答えることとする。
Q33 グレーゾーンではないかと思うがどうしたらよいか,と尋ねられた場合にどのように説明したらよいでしょうか?
著者: 𠮷田友子
ページ範囲:P.626 - P.628
A なぜグレーゾーンと感じたのか,来所者/患者の具体的な言動を想起し整理してみましょう。その言動はどんな能力的困難から理解しうるかを検討することで,来所者の感じ方や提供すべき対応を探ることができます(具体例は本文参照)。グレーゾーンと括ることは,現在の困難は「わざと」「やる気がない」「単なる経験不足」などではなく生来的な特徴が関与するという視点から理解し対応しようというあなたの決意表明を意味します。
Q34 発達障害の傾向が原因で就労・就学などの問題が明らかに生じているにもかかわらず,検査所見などから診断をつけられるほどではない方がかなりおられますが,どのようにすればいいのでしょうか?
著者: 米田衆介
ページ範囲:P.629 - P.631
A 発達障害の診断は,「検査」によって行うものではなく,特にチェックリスト的なものは参考にしかなりません。生活の中で,なぜどのようにして問題が起きているのかということをまず明らかにすることが大切です。そして診断は治療を導くために存在しているのですから,もしも鑑別診断が正しくかつ発達障害として見立てることが治療上有益な状態にあれば,丁寧な問診によって診断基準を満たすエピソードが得られないことはまずありません。
Q35 発達障害の特性はあるものの診断閾値下(いわゆるグレーゾーン)である場合,今後,どのような対応が考えられますか?
著者: 渡邉慶一郎 , 若杉美樹
ページ範囲:P.632 - P.634
A 問題となるのは特性が診断基準を満たすほど強くないのに,本人や周囲の人が困る状況でしょう。こうした場合は発達障害の支援技術を活用するのが現実的です。薬物療法や福祉資源などを除けば,日常的に実施できる工夫は多いです。支援技術を活用する場合は,かかわる人と本人自身が,特性を理解し受けとめていることが大切です。発達障害への偏見が今後も少なくなり,グレーゾーンの人の困りごとが少なくなることを願っています。
Q36 「発達障害ではないか」と会社などで周囲から受診を勧められて精神科を初診するケースをしばしば経験しますが,こういう方への対応について教えてください
著者: 早坂麻衣子 , 横山太範 , 来馬あゆみ
ページ範囲:P.635 - P.637
A 周囲から勧められた受診の場合,患者自身が治療の必要性を十分に理解しきれていないことも多いです。そのため,具体的に患者の状態を把握し,治療方針を丁寧に伝えることで,患者の治療意欲を高めることが大切です。また,患者本人と周囲の認識に差異が生じている場合は,職場や家族などから情報収集を行います。服薬治療やグループ治療,環境調整を行うことで安定した就労・生活が送れるようになった後に終診を慎重に検討していく必要があります。
Q37 単身で受診した大人で情報がない場合に発達障害と診断するポイントを教えてください
著者: 柏淳
ページ範囲:P.638 - P.639
A 発達障害の診断は主観的な訴えのみでは難しく,単身で受診した大人の場合でも可能な限り情報を集める努力をします。親兄弟に来院を依頼し,来院が難しければ電話させてもらう方法もあります。通知表や幼少の記録を送ってもらうこともあります。親兄弟が無理なら職場上司・同僚・保健師,学校関係者,友人などから客観的情報を集めます。診断を急がず,数か月をかけて再来ごとに日常生活・職業(学生)生活に現れる特性を分析していくことも有益です。
Q38 養育者に生育歴を尋ねても,否認,あるいは覚えていないために「問題なかった」と言われました。このような時の診断のポイントを教えてください(養育者からの情報が得られない場合にはどのように診断するのですか?)
著者: 原田剛志
ページ範囲:P.640 - P.641
A 情報収集の際にも,養育者と治療同盟を作る際にも,医療者側の思い込みや道徳的なジャッジが入りこむことのリスクを理解します。ニュートラルに情報収集や治療同盟構築を行っていくことが重要です。まずは,養育者の言っていることをニュートラルに受け止めましょう。
Q39 時折高齢者でも自閉スペクトラム症(ASD)を疑う方がいます。精査・告知を行ったほうがよいケースはあるのでしょうか?
著者: 佐久田静 , 橋本衛
ページ範囲:P.642 - P.644
A 未診断の高齢の自閉スペクトラム症(ASD)者が,加齢に伴う生活環境の変化や認知機能低下により社会適応が難しくなり,精神科外来の受診に至ることがあります。まず問診を通じて,なぜ今になって受診することになったのかを明らかにし,必要に応じて認知機能精査などを行います。その後,本人や家族,支援者に不適応に至った理由を説明し,必要な介入を行います。これらはASDの発達精査や病名告知は実施せずともおおむね可能と考えます。
Q40 若年性認知症と発達障害の鑑別のポイントを教えてください
著者: 佐々木博之
ページ範囲:P.645 - P.647
A すべての若年性認知症と発達障害が鑑別しにくいわけではなく,我々の研究では,早発性アルツハイマー型認知症(EOAD),遅発顕在型の注意欠如・多動症(late-manifestation of ADHD)の2つが鑑別しにくい場合があるという結果でした。鑑別のポイントは,物忘れが「エピソードの欠落」なのか「不注意由来」かという点,「発症」なのか「閾値以下だったものの顕在化」なのかという点,髄液検査やアミロイドPETで「陽性」か「陰性」かという点などです。
Q41 昨今は定年後再雇用などで高齢者も働く機会が増えています。認知症様の症状で職場で問題となるケースもあるようですが,発達障害との鑑別などについてアドバイスをお願いします
著者: 上村直人 , 永野志歩 , 小松静香
ページ範囲:P.648 - P.650
A 高齢期になって初めて職場や地域で発達障害特性に気づかれ精神科を受診したり,不注意による健忘や,こだわり行為から認知症と間違われて産業医の相談につながる場合があります。発達障害は幼少期の臨床症状が加齢とともに変化し,成人期には消退化してしまい高齢期や老年期になるまで気づかれない場合があります。そのため鑑別診断が重要になるため,発育歴や性格特性の聴取のほか,丁寧な問診や神経心理学的な評価が必要です。
5 鑑別と併存
Q42 神経発達症(自閉スペクトラム症,知的能力障害)と,統合失調症を中心とした精神病性障害との鑑別について教えてください
著者: 田中究 , 石橋直木 , 尾崎仁
ページ範囲:P.652 - P.656
A 発達障害(ASD,ID)は基本的に生来性で,一般的には乳幼児期,学童期に発達遅滞や発達の偏りによって気づかれる障害です。統合失調症は学童期後期以降おおむね30歳以前に発症する疾患で,独特な思考障害,知覚障害,自我障害,感情障害を特徴として,通常は意識障害,知的障害を伴いません。したがって,生育歴,精神変調の内容と発症時期の詳細を明確にすることが鑑別には必須となります。
Q43 ARMS(アットリスク精神状態)専門家の立場からは発達障害はどのように捉えていますか?
著者: 桂雅宏
ページ範囲:P.657 - P.658
A ARMSは背景や成因を問わず主に臨床症候から診断されます。ARMSは他の疾患との重なりが許容される概念で,ARMSと発達障害の徴候を併せもつ事例は多く,ARMSの10%強に発達障害が併存するという報告もあります。また,そもそも精神病性障害と発達障害には遺伝的・生物学的近接性があり,臨床的にも鑑別困難な場合があります。ARMSの診療では,事例ごとにその時々の困りごとを治療標的とします。そのため両者の併存例では,発達障害への支援を軸に据えた診療も行われます。
Q44 児童精神科医は統合失調症と発達障害をどう捉えていますか?
著者: 藤田純一
ページ範囲:P.659 - P.660
A 一般精神科医に限らず児童精神科医も操作的診断基準に従って自閉症をはじめとする発達障害と統合失調症を中心とする精神病性障害を鑑別することが求められます。臨床上は両者の鑑別に迷うことは珍しくなく,背景にある生育歴・発達歴を十分聴取して慎重な観察期間を取りながら診断・治療を行います。近年の研究では,統合失調症と神経発達障害共通の遺伝的背景が明らかになってきています。
Q45 一般精神科医は統合失調症と発達障害をどう捉えていますか?
著者: 鷲田健二 , 山下理英子 , 青木省三
ページ範囲:P.661 - P.662
A 統合失調症は,青年期に好発する原因不明の精神病です。遺伝的要因に環境要因が複雑に絡み合い,発症すると考えられています。幻覚妄想などの異常体験や自我障害,抑うつや意欲低下,認知機能障害などその症状は多彩です。一方で発達障害は,生まれながらにして精神面や行動面の発達につまずきがあり,生活に支障が出る場合を発達障害と言います。しかしその鑑別は非常に難しいことが多く,経過の中で評価していきます。
Q46 トラウマ専門家は統合失調症と発達障害をどう捉えていますか?
著者: 白川美也子
ページ範囲:P.663 - P.665
A 統合失調症や発達障害などの診断名は,精神医学の領域で,操作的診断基準に基づいた障害/異常の範囲を定め,その診断に対する標準的な治療を適用するためのものです。トラウマの専門家は,ストレスやトラウマという視点で,その人の症状を「そのような体験をしたら当然起きてくるもの」として,いわば正常の範囲を広げていく形で捉え,さまざまな形でレジリエンス(回復力)を高めつつ,トラウマの処理を行い,症状を解きほぐしていきます。
Q47 発達障害では,解離症やフラッシュバックのように特異な症状をしばしば認めることがありますが,説明してください
著者: 杉山登志郎
ページ範囲:P.666 - P.668
A 自閉スペクトラム症(ASD)の児童,成人がはるか昔のことを突然に持ち出し,あたかもつい先ほどのことのように扱うことがあり,タイムスリップ現象と呼ばれています。一般的なフラッシュバックと異なるのは,明らかに楽しい出来事にも起きることです。また解離症がみられることもまれではなく,多重人格も認められます。この場合,トラウマなしでも起きることや,一方,子ども虐待がある場合には,30〜50人という多人数の部分人格が生じていることもあります。
Q48 発達障害と気分障害の鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?
著者: 桑原斉 , 池谷和
ページ範囲:P.669 - P.671
A 神経発達症の症状は原則的に「発達早期から存在」しています。気分障害のエピソードは原則的に「普段とは異なる期間」あるいは「病前の機能からの変化」で定義づけられます。したがって,現在症が平常時と異なるかどうかが鑑別のポイントになります。併存例に関しては,一言で言える特徴はありませんが,多くの場合,気分障害の標準的な治療に加えて,神経発達症に対する標準的な介入を組み込む必要があります。
Q49 発達障害と不安障害の鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?
著者: 石飛信
ページ範囲:P.672 - P.674
A 不安障害(不安症群)は発達障害のある人での合併率が高いので,当事者に何らかの不安症状が認められた場合には,“鑑別”という観点で考えるより,“何らかの発達障害(または発達障害特性)が不安症状の表出に関係していないか?”という視点をもつことが大事です。併存例での不安症状は言語化されることが少なく,周囲から長期間理解されなかったり,身体症状や衝動行為として表面化したりすることがあります。
Q50 発達障害と睡眠(障害)の関係について教えてください
著者: 髙橋長秀 , 北島剛司
ページ範囲:P.675 - P.678
A 神経発達症においては,不眠,過眠,睡眠覚醒リズムの乱れなどの睡眠障害が,小児・成人いずれも半数以上にみられると報告されており,生活の質や社会適応への影響,家族の心理的ストレスが生じます。睡眠の問題によって,神経発達症(様)の症状が悪化する可能性も指摘されています。遺伝学的研究などによって神経発達症と睡眠障害の共通基盤も明らかにされつつあります。睡眠に関する適切な聴取と診断・治療が,神経発達症の正確な診断・評価とマネジメントのためにも必須です。
Q51 発達障害とパーソナリティ障害との鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?
著者: 岡野憲一郎
ページ範囲:P.679 - P.681
A 他者との関係が希薄で孤立しがちな人は,自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害とパーソナリティ障害(PD)のどちらかに当てはまる可能性があります。ただしASDは幼少時からその傾向がみられ,通常は狭い範囲でのこだわりや興味が伴います。他方のPD(スキゾイドなど)は思春期以降に明らかになり,背後に対人恐怖傾向を伴うと見るべきでしょう。ただし両者はしばしば併存するため,二者択一的な診断を過剰に求めるべきではありません。
Q52 発達障害と摂食障害の関係について教えてください
著者: 宮脇大 , 平井香
ページ範囲:P.682 - P.686
A 摂食障害は,しばしば発達障害を併存します。摂食障害患者の5%が自閉スぺクトラム症(ASD)を,2〜18%が注意欠如・多動症(ADHD)を併存するという報告があります1)。両者の関係のうち,最もよく知られているのは,神経性やせ症とASDについてです。神経性やせ症のため入院した人の37%がASDを併存しているか,ASD特性をもっている2)と報告され,両者の共通点が注目されています。
Q53 摂食障害と発達障害を合併している大人は,高齢化するほど治療が困難となるように思います。対応のコツがあれば教えてください
著者: 小川晴香 , 白石直 , 明智龍男
ページ範囲:P.687 - P.688
A 摂食障害と発達障害の合併例で治療が困難となるのは,発達障害の特性による治療効果の減弱,それに伴う摂食障害・飢餓状態の長期化と二次的な発達障害の特性のさらなる強化,という悪循環が生じていることが影響しています。特に成人の場合は摂食障害が慢性化している例が多く,生来の特性か摂食障害に伴う二次的な症状かの判別はより難しくなります。発達障害の特性を踏まえた治療を組み立てることが重要です。
Q54 摂食障害で受診する児には発達障害の傾向をもつ児が多いと感じています。対応のコツがあれば教えてください
著者: 清水日智
ページ範囲:P.689 - P.690
A 摂食障害児における発達評価は,低栄養や低体重が改善し,脳機能が回復した後に実施することが望ましいです。発達障害を合併する摂食障害は合併しないものと比べて難治であり成人へと持ち越しやすいため,発症早期から発達特性に応じた支援を行う必要があります。
治療者が児の持つ困難さを的確に捉え,児の気持ちを理解し,家族など支援者へと適切に共有していくことで,児が摂食障害を手放し適切な対処法を身につけていくことへとつながります。
Q55 発達障害と依存症の関係について教えてください
著者: 山本直毅 , 今村明
ページ範囲:P.691 - P.695
A 「依存症」と神経発達症(発達障害)との間には,一定の相関関係がある可能性が報告されています。神経発達症(発達障害)が基盤にある「依存症」者では,集団療法や自助グループなどの治療的な枠組みに馴染めない場合があり,特性を評価し,視覚的な資料を活用するなどの,特性を踏まえた個別の支援が,また家族支援では,「肯定的な行動の芽生えに注目することで,その行動を強化する」というペアレントトレーニングの手法を活用することが有用です。
Q56 発達障害とゲームの関係について教えてください
著者: 関正樹
ページ範囲:P.696 - P.698
A 発達障害の1つである自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)の子どもたちもゲームを楽しんでいますが,ASDの子どもたちはオンラインゲームなどのコミュニティ上の人間関係で苦労をすることもあります。一方で,ADHDの子どもたちは情動調節の問題,約束事の問題,ガチャなどの課金の問題がしばしば臨床では話題になります。また,ADHDに関してはゲームに嗜癖的になりやすいことが知られています。
Q57 発達障害とアルコール・カフェインなどの関係について教えてください
著者: 館農勝
ページ範囲:P.699 - P.700
A 発達障害では一般人口に比べてアルコール・カフェインなどの物質関連障害が多いことが報告されています。“何かにはまっている,何かにのめり込んでいる状態”をアディクションと言いますが,発達障害の中でも特に注意欠如・多動症(ADHD)や,その傾向がある人はアディクションと関連性が高いことが知られています。また,さまざまな物質の過剰使用は,発達障害に関連した症状や併存する精神疾患の自己治療であるという説もあります。
Q58 発達障害とギャンブルの関係について教えてください
著者: 樋口進
ページ範囲:P.701 - P.702
A ギャンブルと注意欠如・多動症(ADHD)との関係はよく知られています。ADHDは高い衝動性が認められ,この特性が高リスクのギャンブル行動に関係しています。ADHDはギャンブル障害のリスクを上げ,疾病のプロセスを早めます。また,ADHDの合併例は非合併例に比べて,症状や関連する問題が重症化しやすく,治療も困難になる傾向があります。一方,ギャンブルと自閉スペクトラム症との関係は明確ではありません。
Q59 発達障害と買い物依存症にはどのような関係がありますか?
著者: 松坂雄亮
ページ範囲:P.703 - P.704
A 注意欠如・多動症(ADHD)には後先のことを考えずに衝動的に物事に飛びついてしまう報酬系の障害がみられます。自閉スペクトラム症(ASD)には特定の物事に対するこだわりや没入がみられます。こうした特性のため,発達障害があると買い物依存症のリスクが高まると考えられます。インターネット・スマートフォンの普及やキャッシュレス化など現代の買い物を取り巻く環境の変化は,買い物依存症となるリスクをさらに高めている可能性があります。
Q60 発達障害と犯罪とはどのような関係がありますか?
著者: 松田文雄
ページ範囲:P.705 - P.708
A 発達障害のある人は犯罪の加害者になりやすいという傾向はありません。加害者ではなく,圧倒的に犯罪被害者となることが多いと言われています。重大犯罪に関する新聞報道などでは,加害者の精神鑑定の結果,発達障害の診断名が記事に載ることで,「発達障害のある人は犯罪を起こしやすい」という誤解を招くことにつながっているものと思われます。一方,犯罪の被害者が発達障害であったという報道は相模原障害者施設殺傷事件のようにセンセーショナルな事件以外はほとんどなく,被害者となるのはきわめてまれなことであるかのような誤解につながっています。
6 治療
Q61 発達障害の治療の考え方を教えてください
著者: 金井剛
ページ範囲:P.710 - P.714
A 発達障害の診断範囲は広く,下位診断が複雑に併合していることも多く,治療は簡単にマニュアル化できず,個々の特性に沿った個別の治療や支援が必要です。早期療育は有効であるとされ,その後は日常生活支援を中心にし,必要に応じて療育・心理など専門的支援,精神医学的支援の三層の治療・支援が基本です。保護者や保育士など子どもの身近な大人や関係者の特性理解を進めることも乳幼児期から生涯を通じて重要となります。
Q62 発達障害に併存症がある場合の治療の考え方を教えてください
著者: 宇野洋太
ページ範囲:P.715 - P.719
A 併存する疾患への標準的な治療とともに,発達障害特性に対する疾病教育やそれを前提とした支援・環境調整を並行して実施します。またそうした心理社会的介入は,併存症の再発・再燃予防にもつながります。発達障害特性に対する心理社会的介入なしには,併存する精神障害の寛解までには至らないことが多いです。さらに周囲の支援者も巻き込んだ取り組みが有効です。
Q63 発達障害の薬物療法はどのように行いますか?
著者: 照井藍 , 坂本由唯 , 中村和彦
ページ範囲:P.720 - P.724
A 発達障害の治療の基本は,心理社会的治療,支援であり,効果が不十分であった場合に薬物療法を行います。子どもの薬物療法は適応外使用の場合があるので注意を要します。発達障害は乳幼児から成人まで幅広く子どもの精神医学に対する知識が必要です。大人の発達障害は,さまざまな併存症があるゆえ,症状にあわせた薬物療法の工夫が必要です。メチルフェニデート製剤やリスデキサンフェタミンの処方はADHD適正流通管理システムによります。
Q64 発達障害のある人の家族への支援はどのようにするといいのでしょうか?
著者: 徳永瑛子
ページ範囲:P.725 - P.728
A まず,家族自身も楽しく前向きに生活できることを目指した支援を行うことが大切です。そして家族を支える支援者には,客観的かつ柔軟に家族の立場に立つ視点を持ち,家族の思いに寄り添うこと,実際に家族が対応できる方法を増やすことが求められます。
個々の家族における,発達障害に対する認知,障害の受容の仕方,生活スタイルやニーズなどは異なるため,こうあるべきという枠組みにとらわれすぎず,その家族に必要なサポートを柔軟に提供できるように準備をしておくとよいでしょう。
Q65 発達障害児・者の就学・就労支援で社会資源の活用はどのように進めるとよいのでしょうか?
著者: 五十嵐美紀 , 太田晴久
ページ範囲:P.729 - P.733
A 社会資源の有効活用は発達障害の就学・就労支援の質を大きく向上させます。医師としては,必要な社会資源の選定のみならず,当事者の障害受容の状況にも留意する必要があります。社会資源に関して,医師が具体的に把握できるものには限界があり,精神保健福祉士など他の専門職との連携が望ましいです。他職種との連携のなかで,診断名による紋切り型の支援ではなく,個別の状況やニーズに対応した社会資源の活用を目指していくとよいでしょう。
Q66 発達障害児・者の当事者の会とのかかわりにはどのような意義がありますか?
著者: 岩佐光章
ページ範囲:P.734 - P.737
A 発達障害児・者の当事者の会とのかかわりは,臨床医にとって2つの観点で意義を持つものです。①診察室だけでは経験できない,当事者本人や家族をとりまく地域生活に直接交わる機会を享受し,診察室だけに閉じない診療やコミュニティ・ケアの視点を学ぶことができます。②当事者の会とつながることによってより効力のある働きかけを行政に対して実行したり,調査を協働で行うことによってより幅の広い臨床研究を展開することができます。
Q67 発達障害の法律的な問題について教えてください
著者: 木村一優 , 安保千秋
ページ範囲:P.738 - P.741
A 臨床上法律的なことが問題となってくるのは,学校や職場で合理的配慮が必要な時,消費者被害の被害者になった時,そして刑事事件の加害者になった時でしょう。障害者差別解消法,消費者契約法,特定商取引法,携帯電話不正利用防止法,刑事訴訟法や少年法などの法律が関与してきます。合理的配慮では診断書の依頼があるでしょう。被害者になった場合でも,加害者になった場合でも,その対象となった人やそのご家族,関係者の動揺は激しいでしょう。直接の対応は弁護士などと相談することになります。それでも法律上の多少の知識を伝えることは,安心感となり,その時点での最善の策につながると思います。
Q68 自閉スペクトラム症の治療のポイントを教えてください
著者: 十一元三
ページ範囲:P.742 - P.747
A 対象者の言語・認知・運動能力の発達状況に加え,発達症特性(自閉傾向,こだわり,感覚過敏,パニック傾向など),生活環境,併存症の有無をアセスメントし,ケースの特徴および治療目標に適したアプローチを選択することが基本です。介入にあたり,基本的安全感,自己効力感,自尊感情が保たれるよう配慮し,できるだけ他者との意思疎通を促進する方向性をもつプログラムを用いることが自閉スペクトラム症(ASD)支援における大切なポイントです。
Q69 注意欠如・多動症(ADHD)の治療のポイントを教えてください
著者: 小野和哉
ページ範囲:P.748 - P.751
A 注意欠如・多動症(ADHD)の治療のポイントは,第1に,「適正診断」に基づく治療であることです。幼少時から連続した課題があることを,第三者情報で確認します。第2に,非薬物療法から開始することです。環境調整,低年齢なら家族教育,ペアレントトレーニング,思春期以降なら本人への疾病教育と認知行動療法などが優先されます。第3に,病態に応じた薬剤の選択です。用量設定には個体差が大きく,低用量からの調整が重要です。
Q70 学習障害(LD)への対応にはどのようなものがありますか?
著者: 廣瀬翔平 , 辻井正次
ページ範囲:P.752 - P.755
A 実際の国語や算数などの教科における学習の困難を把握した上で,家庭学習をめぐる親子での悪循環を減らす保護者への助言を行うとともに,教育的支援(特別支援教育に基づく合理的配慮)の提供の必要性に関する診断書や意見書を学校宛に書き,具体的な細かな指導を通級指導教室などで行います。言語聴覚士(ST)による言語情報処理を踏まえた指導や,手先の不器用さが絡んだ場合の作業療法士(OT)による指導などを行う可能性もあります。
Q71 発達性協調運動症(DCD)への対応にはどんなものがありますか?
著者: 岩永竜一郎
ページ範囲:P.756 - P.759
A 発達性協調運動症(DCD)には,協調運動,併存しやすい精神疾患・心理的問題に対する治療・支援ができるリハビリテーションスタッフがいる医療機関への紹介が望まれます。介入には,障害指向型と課題指向型があり,課題遂行に焦点を当てた課題指向型介入は特に推奨されています。また,学校における理解と支援が必要であるため,教師とのコンサルテーションが必要となることが多いでしょう。
Q72 チック症への治療的対応や薬物療法にはどのようなものがありますか?
著者: 金生由紀子
ページ範囲:P.760 - P.764
A 本人や周囲の人々がチック症を適切に理解して対応できるようにすることが大切です。そのため,家族ガイダンス,心理教育,環境調整が,治療の基本となります。ハビットリバーサルを中心にチックのコントロールを目指す認知行動療法/行動療法の有効性が示されています。保険適用はないもののチックに対するエビデンスのある薬物としては,抗精神病薬(アリピプラゾールなど),α2アドレナリン受容体作動薬(グアンファシンなど)があります。
Q73 地域の学校に校医としてかかわることになりました。発達障害の生徒への対応についてどのようなポイントがありますか?
著者: 小林潤一郎
ページ範囲:P.765 - P.766
A 校医の仕事は診察室での診療とは異なり,発達障害の子どもが心の健康を保って学べる環境を教師とともに整えることにあります。発達や支援の経過を参考に子どもの授業参加や休み時間の様子を観察して,担任教師や特別支援教育コーディネーターと子どもの実態を共有しましょう。子どもが何にどう困っていて,どんな支援が必要か一緒に考えることが大切です。教師を支えることが子どもの心の健康問題の予防・早期対応につながります。
Q74 産業医としてかかわる会社に対して,発達障害のある社員への対応についてどのようにアドバイスすればよいでしょうか?
著者: 永田昌子
ページ範囲:P.767 - P.768
A 発達障害のある社員が事例性(職場で生じている困りごと:詳細は解説を参照)を生じていたら,早めに産業医につないでもらい,介入することをお勧めします。トラブルに発展する前に,障害特性について周囲に理解を求める,障害特性に応じた配慮を本人が申し出る,などの介入が必要です。一方,事例性を生じていない場合,産業医が介入することで本人のチャンスを奪ってしまうことがあるので,拙速な介入は控えましょう。
Q75 発達障害の感覚過敏について,どのような対応がありますか?
著者: 熊﨑博一
ページ範囲:P.769 - P.771
A 発達障害児では不安が起こる場面になると感覚過敏が出やすくなります。また情緒が不安定になると感覚過敏が出やすくなります。このように不安と感覚過敏は密な関係にあり,感覚過敏の減弱に不安の軽減は一定の効果があります。不安症状の評価も重要です。発達障害児の感覚過敏について十分な評価をした上で,行うべき支援として評価に基づいた環境調整,防御手段の利用が挙げられます。感覚過敏への抗精神病薬によるエビデンスは乏しい現状があります。
Q76 発達障害に支持的精神療法は有効ですか?
著者: 牛島洋景
ページ範囲:P.772 - P.774
A 発達障害の方が医療機関を受診する場合,発達障害そのものの症状を主訴に受診することは少なく,一定の水準での社会的不適応,もしくは不適応感を抱え受診を希望しています。具体的には,抑うつや不安などの情緒的な症状,被注察感,妄想様体験などの精神病的な症状,周囲との対人関係のもつれなど,多彩な症状を呈していることが多く,これらの状態に対しては,背景にある発達障害の問題も加味した上で,支持的精神療法的な対応を行う必要があります。
Q77 発達障害への認知行動療法は有効ですか?
著者: 大島郁葉
ページ範囲:P.775 - P.777
A 発達障害の特性そのものを認知行動療法で治療する(なくす)ことはできません。また,発達障害の特性はその人にとっての強みにもなりうるので,なくす必要はありません。発達障害者に対して認知行動療法を用いる場合,発達障害に関連するストレスのコントロールや,発達障害の二次障害としての抑うつや不安への治療法としては一定の効果が認められており,一般的に有効であると言えますが,適応には個別のアセスメントが重要となります。
Q78 発達障害への有効性が示されている心理社会的治療にはどのようなものがありますか?
著者: 本多奈美
ページ範囲:P.778 - P.780
A 発達障害に対する心理社会的治療は,その有効性において十分なエビデンスを持つものは多くはありません。集中的な行動療法(ペアレント・トレーニング,親への個別面談,子どもの社会生活技能訓練)と薬物療法との併用において有効性が示された報告はあります。しかし,臨床的には環境調整,親への心理社会的治療,子どもへの心理社会的治療,関連機関との連携という治療・支援をバランスよく組み合わせて実施することが望まれます。
Q79 自閉スペクトラム症(ASD)のこだわりの強さ,想像力の欠如などについて有効な対処法はありますか?
著者: 山根謙一 , 香月大輔 , 山下洋
ページ範囲:P.781 - P.783
A こだわりは認知の発達とともに変化し,特別な興味に基づく活動として個人の強みとなる場合があります。家族など安心できる人が本人の興味を持つ分野に関心を持ち体験を共有しながら活動が適応的になるように環境を整えます。少し異なる提案をして適応的なこだわりが増える機会を作るとともに,とても困るこだわりは対象を隠してしまう,飽きるまで放っておくなど減らす工夫をします。想像力の欠如については,目で見てわかることや具体物,反復性への選好性として捉え,視覚的構造化を利用して,自律スキル・ソーシャルスキルを学習する方法に活かします
Q80 発達障害に伴う実行機能障害(金銭管理,時間管理など)への対応はどのようなものがありますか?
著者: 中島美鈴
ページ範囲:P.784 - P.787
A まずは,ご本人の困りごとと実行機能障害がどのようにかかわっているかについて心理教育を行います。そうして“なるほど,そこでつまずいているんだ”と納得いただいてから,対処法を話し合っていきます。個人差はありますが,物の管理,金銭管理,体重管理,時間管理の順に難易度は上がります。どれに対しても基本方針は対象を「見える化」してアナログに体感してもらいながら,その都度管理する仕組みを作ることです。
Q81 「発達障害の息子が興奮し,夜中に大声で怒鳴り散らしてしまうので困っている」と母親から相談されました。どのように対処すべきでしょう?
著者: 原田謙 , 市川海沙希
ページ範囲:P.788 - P.789
A 息子さんが怒鳴り散らしてしまう背景を探り,発達障害の特性とともに説明するのがよいでしょう。怒鳴り出す直前にない学校生活などの要因が影響している可能性もあります。
Q82 自閉スペクトラム症(ASD)のある被害的で攻撃性の高い方にどのような対処法がありますか?
著者: 小野美樹 , 桝屋二郎
ページ範囲:P.790 - P.792
A 現状に至った経緯,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)の特性も含めご本人の背景を考えます。次に,ご本人のつらさに共感する,長所を見つけほめる,「あなたを攻撃しない」と伝えて信頼関係構築に努めます。要点は簡潔に箇条書きしてメモを使うなど視覚支援も活用します。「ルールを守れない場合は残念だがお手伝いできなくなる」と枠決めします。必要に応じ,気分調整薬や抗精神病薬の投与も考慮します。
Q83 ゲーム行動症を併発している発達障害の子どもへの対応はどのようなものがありますか?
著者: 吉川徹
ページ範囲:P.793 - P.794
A 行動の嗜癖は孤立の病であるとも言われます。回復のためにはデジタルゲーム以外の,質のよい現実との接点,依存先を確保するのが目標となります。まずはリアルの世界に基盤のある趣味の開発や復活を目指すのがよいでしょう。不登校や引きこもりを伴う事例では,同居家族とともに趣味や家事を楽しむことができるとよさそうです。また多くの事例においては,ゲームの代替行動として,学習を設定しないのがコツだと言えるでしょう。
Q84 当事者が発達障害であることを家族が受容できない状況が長期的に続いています。効果的な働きかけはありますか?
著者: 広瀬宏之
ページ範囲:P.795 - P.797
A 受容が進まないのには理由がありますから,押しつけは得策ではありません。受け入れ難く思っている家族の心情を,惻隠の情で思いやりたいところです。受容より理解と実践が大切です。社会モデルによる支援を横目で見てもらいつつ,できることをしてもらえれば十分です。発達の足かせになる言動はブロックしたいところです。理想は,受容できない家族を受容することによって“受容モデル”を示すことです。
Q85 発達障害の診断を,本人(子ども)に伝えてほしくないという親御さんに対して,どう説明してあげたらよいでしょうか
著者: 山崎知克 , 岩﨑美奈子
ページ範囲:P.798 - P.800
A 親御さんには以下のようにお話しするとよいでしょう。
「親御さんのお気持ちを大切にしていきたいので,今すぐに発達障害の診断をお子さんに伝えなくても大丈夫です。まず親御さんの心配なお気持ちをお聞かせください。一方で,お子さんの自尊感情に配慮しながら,学校での問題や家庭生活での家族の困りごとを具体的に伝えて親子で共有することは大切です。これから親子でどのようにお話をしていくのがいいのかを一緒に考えていきましょう」。
Q86 自閉スペクトラム症(ASD)に対する薬物療法は,どのような症状にどのような治療薬が検討されますか?
著者: 吉村裕太 , 田口公之 , 石田匡宏
ページ範囲:P.801 - P.803
A 最も重要なポイントは,本人と一緒に困難に取り組む関係性を作り,症状の成り立ちを検討することや環境調整といった非薬物療法がメインの治療法であるということです。ASDの中核症状は,対人相互交流の成立のしがたさと限定的で繰り返される関心や活動です。これらの中核症状に対する有効性の確立された薬物治療は現時点では存在しません。易刺激性,易怒性,感覚過敏などの随伴特性に対しては,非定型抗精神病薬を用いることが多く,リスペリドンとアリピプラゾールは特に有効性を示す報告が多いです1)。またASDは,二次障害として気分障害や不安障害などの合併頻度が高いため,これらには,各種の標準的な治療を行います。
Q87 注意欠如・多動症(ADHD)の薬物療法について教えてください
著者: 木原弘晶 , 宇佐美政英
ページ範囲:P.804 - P.806
A 本邦の治療ガイドラインでは,薬物療法は十分な心理社会的治療の後の選択肢として推奨されています1)。諸外国には中枢神経刺激薬優先とするガイドラインもありますが,本邦は中枢神経刺激薬あるいは非中枢神経刺激薬がともに第一選択とされており,治療者の選択裁量が大きいです。抗ADHD薬は現在4剤が上市されていますが,作用機序・投与方法・作用時間・副作用など各剤で大きく異なるため,患者それぞれに合わせた選択を行う必要があります。
Q88 ADHD治療薬は妊娠中に継続しても大丈夫ですか?
著者: 杉本篤言 ,
ページ範囲:P.807 - P.809
A 注意欠如・多動症(ADHD)治療薬の妊娠中の使用に関するエビデンスはまだ少ないです。薬物治療を続ける場合は胎児への曝露を考慮しなくてはなりませんが,中止した場合は母体の精神状態に関連する有害な行動が増加する可能性があります。グアンファシンは本邦では妊婦に禁忌です。メチルフェニデート,アンフェタミン,アトモキセチンに明らかな催奇形性はありませんが,妊娠と薬物治療の関係や計画的な治療中断について日常診療のうちから患者と話し合っておくことが重要です。
Q89 発達障害(ASD・ADHD)の治療で頻用される漢方薬はありますか?
著者: 井口敬一 , 河野政樹 , 泉理恵
ページ範囲:P.811 - P.812
A 発達障害の本態は感覚過敏にあるのではないか?と考えており,視覚でたとえれば,レンズの画素数が,桁違いに高いレベルにあるのにたとえられます。過度の感覚過敏をコントロールして,本来内在している患者さんの優れた感性を生かすためにはどうするか? 服薬により過度の感覚過敏が少し落ち着いて,他人との距離がつかみやすくなる薬が,甘麦大棗湯です。
Q90 発達障害(ASD・ADHD)への薬物療法は長期にわたることが多いですが,安全ですか?
著者: 水井亮 , 太田豊作
ページ範囲:P.813 - P.814
A 長期安全性が検証された上で,リスペリドン,アリピプラゾール,メチルフェニデート徐放錠,アトモキセチン,グアンファシン,リスデキサンフェタミン,メラトニンといった薬剤が保険適用されています。安全性および有効性を定期的に評価しながら,適切に使用することで,安全に薬物療法を行うことができます。そして,薬物療法を漫然と長期にわたって継続しないようにすることも重要です。
Q91 発達障害患者に対する抗うつ薬や抗精神病薬の使用について,現状ではどのような見解になっているのでしょうか?
著者: 辻井農亜
ページ範囲:P.815 - P.816
A トゥレット症を除き発達障害の中核的症状に対して十分な効果が示された抗うつ薬や抗精神病薬は存在しません。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に対する第2世代抗精神病薬の有効性は示されていますが,その使用によって体重増加や代謝系の異常が生じる懸念が存在します。発達障害に対して薬物療法を開始する前には十分な心理社会的治療を行い,使用の際にはリスクとベネフィットに関して丁寧に説明することが必要です。
Q92 発達障害へのニューロフィードバックってなんですか? 効果はあるのですか?
著者: 山縣文
ページ範囲:P.817 - P.818
A ニューロフィードバック(NF)は,患者に自身の脳活動状態をリアルタイムに呈示し,脳活動状態を自発的に制御する訓練法です。発達障害へのNFの臨床効果を示す研究は多数報告されており,その有用性が期待されます。しかし,過去の研究はプロトコールが統制されておらず,大規模なランダム化プラセボ対照比較試験も存在しないため,現時点でNFの臨床効果について結論を出すのは時期尚早と考えます。
Q93 発達障害へのサプリメントや食事療法(ω-3脂肪酸など)は有効ですか?
著者: 大久保亮
ページ範囲:P.819 - P.820
A 現時点で有効性が確立したサプリメントや食事療法は存在しません。自閉スペクトラム症(ASD)に対してグルテン/カゼイン除去食とビタミンDサプリメントの有効性が,注意欠如・多動症(ADHD)に対してω-3脂肪酸,ビタミンD,亜鉛サプリメントの有効性が一部の症状に対して報告されています。しかしながら研究の質・量ともに不十分で,上述したサプリメントや食事療法を推奨するのは時期尚早です。
Q94 自閉スペクトラム症の方に適したリラクゼーションや衝動発散につながる活動にはどのようなものがありますか?
著者: 太田篤志
ページ範囲:P.821 - P.822
A 対象者が好む音楽を聴く,着色されたオイルが流れる視覚グッズを見る,独特な触感のスクイーズボールを握るなどの穏やかな活動は気持ちを落ち着かせることに役立つ可能性があります。一方,トランポリンやアスレチック,レスリングのような激しく活発なレクリエーション活動は,感覚的な欲求を発散することに役立ちます。対象者の感覚的な好みや認知的な興味・関心に基づいた活動を選択し,その活動に本人が能動的に携わることが大切です。
Q95 発達障害の愛着・トラウマの問題に対する対応について教えてください
著者: 亀岡智美
ページ範囲:P.823 - P.825
A 発達障害の子どもの大多数は愛着行動を示す(不安や脅威を感じる状態で特定の養育者に助けを求める)が,安全型の愛着を示す比率が低いという報告もあります。一方で,発達障害の子どもは,トラウマを体験するリスクが高く,その悪影響を被りやすいことが知られています。よって,発達障害の支援においては,トラウマの影響を念頭に置いた上で,養育者や支援者の情緒応答性(emotional availability;子どものニーズに気づき敏感に応答すること)を高めていくことが大切です。
Q96 発達障害の患者さんの自尊心を高めたり,長所を活かしたり,ポジティブな面を活かした診療のコツを教えてください
著者: 井上祐紀
ページ範囲:P.827 - P.829
A 精神障害を持つ患者さんの強みに着目して地域支援に活かそうという試みとして1990年代からストレングス・モデルと呼ばれる考え方が発展してきました。このモデルは成人の精神障害に限らず児童思春期の精神医療にも活かすことが可能と考えています。一方,発達障害の患者さんの診療に活かす上では能力の高さに重きをおくよりも,患者さんが環境とよい相互作用が形成できることや当事者の願いを重要視することが肝要と考えます。
Q97 発達障害の特性に伴う対人関係の問題をどのように理解して,どのように対応したらよいでしょうか?
著者: 田中康雄
ページ範囲:P.830 - P.832
A 他者との関係がギクシャクしたり,相手を不快にさせてしまうということは,誰にでも経験あるものです。ただし,発達障害があると言われる方は,そのつまづきが継続し修復しにくいことで「対人関係に問題がある」と理解されてしまうかもしれません。でもその方は,相手こそが「対人関係に問題がある」と思っているかもしれません。対策は,異なる世界を持つお互いが,己を出し合う中で,「お馴染みの関係」になることではないかと思います。
Q98 比較的短い時間で発達障害の患者さんに対応する工夫はありますか?
著者: 姜昌勲
ページ範囲:P.834 - P.835
A 診察時間を測定するなど意識づけすることが大切です。漫然と患者さんの話を聞いていれば時間は浪費されていくばかりです。事前に診察時間は長く取れないことを予告しておくこと,1回の診察で質問は2点までなどのルール設定を行うことなどにより診察時間の短縮化が可能です。また,診察の満足度を決めるのは診察時間の長短ではないことを医師も自覚し,簡潔かつ具体的なアドバイスを心がけることも大切でしょう。
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56巻9号(2014年9月発行)
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55巻10号(2013年10月発行)
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オピニオン 認知症の終末期医療の対応:現状と課題―尊厳をどう守るか
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シンポジウム 気分障害の生物学的研究の最新動向─DSM,ICD改訂に向けて
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52巻12号(2010年12月発行)
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52巻4号(2010年4月発行)
特集 内因性精神疾患の死後脳研究
52巻3号(2010年3月発行)
特集 総合病院精神科衰退の危機と総合病院精神医学会の果たすべき役割
52巻2号(2010年2月発行)
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51巻12号(2009年12月発行)
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特集 若年性認知症をめぐる諸問題
51巻9号(2009年9月発行)
51巻8号(2009年8月発行)
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51巻5号(2009年5月発行)
51巻4号(2009年4月発行)
シンポジウム うつ病と自殺に医師はどう対応するのか―医師臨床研修並びに生涯研修における精神科の役割
51巻3号(2009年3月発行)
特集 社会脳をめぐって
51巻2号(2009年2月発行)
シンポジウム 統合失調症の脳科学
51巻1号(2009年1月発行)
50巻12号(2008年12月発行)
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50巻11号(2008年11月発行)
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50巻9号(2008年9月発行)
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特集 成人期のアスペルガー症候群・Ⅱ
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特集 成人期のアスペルガー症候群・Ⅰ
50巻6号(2008年6月発行)
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特集 精神疾患に対する早期介入の現状と将来
50巻2号(2008年2月発行)
50巻1号(2008年1月発行)
特集 精神医学的コミュニケーションとは何か―精神科専門医を目指す人のために
49巻12号(2007年12月発行)
49巻11号(2007年11月発行)
シンポジウム ストレスと精神生物学―新しい診断法を目指して
49巻10号(2007年10月発行)
49巻9号(2007年9月発行)
特集 「緩和ケアチーム」―精神科医に期待すること,精神科医ができること
49巻8号(2007年8月発行)
49巻7号(2007年7月発行)
特集 レビー小体型認知症をめぐって
49巻6号(2007年6月発行)
49巻5号(2007年5月発行)
特集 睡眠と精神医学:「睡眠精神医学」の推進
49巻4号(2007年4月発行)
49巻3号(2007年3月発行)
特集 統合失調症と感情障害の補助診断法の最近の進歩
49巻2号(2007年2月発行)
49巻1号(2007年1月発行)
シンポジウム 児童思春期の攻撃性・衝動性の理解と援助-ライフサイクルの視点から考える
48巻12号(2006年12月発行)
シンポジウム 気分障害治療の新たな展開
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48巻10号(2006年10月発行)
48巻9号(2006年9月発行)
特集 新医師臨床研修制度に基づく精神科ローテート研修の評価
48巻8号(2006年8月発行)
48巻7号(2006年7月発行)
48巻6号(2006年6月発行)
特集 オグメンテーション療法か,多剤併用療法か
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シンポジウム MCIとLNTDをめぐって
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48巻3号(2006年3月発行)
特集 災害精神医学の10年―経験から学ぶ
48巻2号(2006年2月発行)
48巻1号(2006年1月発行)
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47巻10号(2005年10月発行)
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47巻8号(2005年8月発行)
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シンポジウム 精神障害治療の新展開
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特集 統合失調症と認知機能―最近の話題
45巻11号(2003年11月発行)
特集 ICFと精神医学
45巻10号(2003年10月発行)
特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
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シンポジウム 痴呆症とパーキンソン病研究の新展開―原因分子の発見をてがかりとして
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45巻6号(2003年6月発行)
特集 統合失調症とは何か―Schizophrenia概念の変遷
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45巻4号(2003年4月発行)
特集 新医師臨床研修制度の課題―求められる医師像と精神科卒後教育の役割
45巻3号(2003年3月発行)
特集 ひきこもりの病理と診断・治療
45巻2号(2003年2月発行)
45巻1号(2003年1月発行)
44巻12号(2002年12月発行)
シンポジウム WHO精神保健レポートと日本の課題
44巻11号(2002年11月発行)
特集 精神疾患の脳画像解析と臨床応用の将来
44巻10号(2002年10月発行)
44巻9号(2002年9月発行)
44巻8号(2002年8月発行)
特集 精神疾患と認知機能
44巻7号(2002年7月発行)
特別企画 WPA 2002 横浜大会に期待する
44巻6号(2002年6月発行)
特集 司法精神医学の今日的課題
44巻5号(2002年5月発行)
44巻4号(2002年4月発行)
44巻3号(2002年3月発行)
特集 新しい向精神薬の薬理・治療
44巻2号(2002年2月発行)
44巻1号(2002年1月発行)
43巻12号(2001年12月発行)
43巻11号(2001年11月発行)
特集 青少年犯罪と精神医学
43巻10号(2001年10月発行)
シンポジウム 精神分裂病の心理社会的治療の進歩
43巻9号(2001年9月発行)
43巻8号(2001年8月発行)
43巻7号(2001年7月発行)
43巻6号(2001年6月発行)
特集 社会構造の変化と高齢者問題
43巻5号(2001年5月発行)
特別企画 薬物依存者に対する精神保健・精神科医療体制
43巻4号(2001年4月発行)
43巻3号(2001年3月発行)
43巻2号(2001年2月発行)
特集 今,なぜ病跡学か
43巻1号(2001年1月発行)
42巻12号(2000年12月発行)
シンポジウム ライフサイクルと睡眠障害
42巻11号(2000年11月発行)
42巻10号(2000年10月発行)
特集 職場の精神保健
42巻9号(2000年9月発行)
42巻8号(2000年8月発行)
42巻7号(2000年7月発行)
42巻6号(2000年6月発行)
42巻5号(2000年5月発行)
特集 精神疾患の発病規定因子
42巻4号(2000年4月発行)
42巻3号(2000年3月発行)
特別企画 精神医学,医療の将来
42巻2号(2000年2月発行)
シンポジウム 新しい精神医学の構築—21世紀への展望
42巻1号(2000年1月発行)
41巻12号(1999年12月発行)
特集 児童精神科医療の課題
41巻11号(1999年11月発行)
41巻10号(1999年10月発行)
41巻9号(1999年9月発行)
41巻8号(1999年8月発行)
41巻7号(1999年7月発行)
41巻6号(1999年6月発行)
特集 治療抵抗性の精神障害とその対応
41巻5号(1999年5月発行)
41巻4号(1999年4月発行)
41巻3号(1999年3月発行)
41巻2号(1999年2月発行)
41巻1号(1999年1月発行)
特集 記憶障害の臨床
40巻12号(1998年12月発行)
シンポジウム がん,臓器移植とリエゾン精神医学—チーム医療における心のケア
40巻11号(1998年11月発行)
40巻10号(1998年10月発行)
40巻9号(1998年9月発行)
40巻8号(1998年8月発行)
シンポジウム 災害のもたらすもの—阪神・淡路大震災復興期のメンタルヘルス
40巻7号(1998年7月発行)
40巻6号(1998年6月発行)
40巻5号(1998年5月発行)
特集 アジアにおける最近の精神医学事情
40巻4号(1998年4月発行)
40巻3号(1998年3月発行)
40巻2号(1998年2月発行)
特集 精神病像を伴う躁うつ病および分裂感情障害の位置づけ—生物学的マーカーと診断・治療
40巻1号(1998年1月発行)
39巻12号(1997年12月発行)
39巻11号(1997年11月発行)
特集 精神科における合理的薬物選択アルゴリズム
39巻10号(1997年10月発行)
39巻9号(1997年9月発行)
39巻8号(1997年8月発行)
シンポジウム スーパービジョンとコンサルテーション—地域精神医療の方法
39巻7号(1997年7月発行)
39巻6号(1997年6月発行)
39巻5号(1997年5月発行)
特集 学校精神保健—教育との連携の実際
39巻4号(1997年4月発行)
39巻3号(1997年3月発行)
39巻2号(1997年2月発行)
39巻1号(1997年1月発行)
38巻12号(1996年12月発行)
シンポジウム 痴呆の薬物療法の最前線—向知性薬の臨床と基礎
38巻11号(1996年11月発行)
特集 精神医学における分子生物学的研究
38巻10号(1996年10月発行)
38巻9号(1996年9月発行)
38巻8号(1996年8月発行)
38巻7号(1996年7月発行)
38巻6号(1996年6月発行)
38巻5号(1996年5月発行)
特集 精神病理学の方法論—記述か計量か
38巻4号(1996年4月発行)
38巻3号(1996年3月発行)
38巻2号(1996年2月発行)
38巻1号(1996年1月発行)
37巻12号(1995年12月発行)
37巻11号(1995年11月発行)
37巻10号(1995年10月発行)
37巻9号(1995年9月発行)
37巻8号(1995年8月発行)
特集 外来精神科医療の現状と課題
37巻7号(1995年7月発行)
特集 阪神・淡路大震災—現場からの報告
37巻6号(1995年6月発行)
37巻5号(1995年5月発行)
37巻4号(1995年4月発行)
37巻3号(1995年3月発行)
37巻2号(1995年2月発行)
37巻1号(1995年1月発行)
特集 分裂病者の社会復帰—新しい展開
36巻12号(1994年12月発行)
シンポジウム アルツハイマー型痴呆の診断をめぐって
36巻11号(1994年11月発行)
36巻10号(1994年10月発行)
36巻9号(1994年9月発行)
36巻8号(1994年8月発行)
36巻7号(1994年7月発行)
36巻6号(1994年6月発行)
特集 精神医学と生物科学のクロストーク
36巻5号(1994年5月発行)
特集 精神疾患の新しい診断分類
36巻4号(1994年4月発行)
36巻3号(1994年3月発行)
36巻2号(1994年2月発行)
36巻1号(1994年1月発行)
特集 精神科治療の奏効機序
35巻12号(1993年12月発行)
35巻11号(1993年11月発行)
35巻10号(1993年10月発行)
35巻9号(1993年9月発行)
35巻8号(1993年8月発行)
シンポジウム 精神障害者の権利と能力—精神医学的倫理のジレンマ
35巻7号(1993年7月発行)
35巻6号(1993年6月発行)
35巻5号(1993年5月発行)
35巻4号(1993年4月発行)
特集 現代日本の社会精神病理
35巻3号(1993年3月発行)
35巻2号(1993年2月発行)
特集 加齢に関する精神医学的な問題
35巻1号(1993年1月発行)
34巻12号(1992年12月発行)
特集 精神科領域におけるインフォームド・コンセント
34巻11号(1992年11月発行)
34巻10号(1992年10月発行)
34巻9号(1992年9月発行)
34巻8号(1992年8月発行)
特集 薬物依存の臨床
34巻7号(1992年7月発行)
34巻6号(1992年6月発行)
34巻5号(1992年5月発行)
34巻4号(1992年4月発行)
34巻3号(1992年3月発行)
シンポジウム 境界例の診断と治療
34巻2号(1992年2月発行)
34巻1号(1992年1月発行)
33巻12号(1991年12月発行)
特集 不安の病理
33巻11号(1991年11月発行)
33巻10号(1991年10月発行)
33巻9号(1991年9月発行)
33巻8号(1991年8月発行)
33巻7号(1991年7月発行)
33巻6号(1991年6月発行)
33巻5号(1991年5月発行)
33巻4号(1991年4月発行)
33巻3号(1991年3月発行)
33巻2号(1991年2月発行)
特集 精神科領域におけるレセプター機能の研究の進歩
33巻1号(1991年1月発行)
32巻12号(1990年12月発行)
シンポジウム 「うつ」と睡眠
32巻11号(1990年11月発行)
32巻10号(1990年10月発行)
32巻9号(1990年9月発行)
32巻8号(1990年8月発行)
特集 精神疾患の現代的病像をめぐって
32巻7号(1990年7月発行)
32巻6号(1990年6月発行)
特集 精神分裂病の生物学的研究
32巻5号(1990年5月発行)
32巻4号(1990年4月発行)
32巻3号(1990年3月発行)
特集 向精神薬の見逃されやすい副作用と対策
32巻2号(1990年2月発行)
32巻1号(1990年1月発行)
31巻12号(1989年12月発行)
31巻11号(1989年11月発行)
31巻10号(1989年10月発行)
シンポジウム 精神障害者の責任能力
31巻9号(1989年9月発行)
31巻8号(1989年8月発行)
31巻7号(1989年7月発行)
31巻6号(1989年6月発行)
特集 現代社会と家族—諸病態との関連から
31巻5号(1989年5月発行)
31巻4号(1989年4月発行)
31巻3号(1989年3月発行)
31巻2号(1989年2月発行)
31巻1号(1989年1月発行)
特集 サーカディアンリズム—基礎から臨床へ
30巻12号(1988年12月発行)
30巻11号(1988年11月発行)
シンポジウム 痴呆とパーキンソニズム
30巻10号(1988年10月発行)
30巻9号(1988年9月発行)
特集 世界の精神科医療の動向
30巻8号(1988年8月発行)
30巻7号(1988年7月発行)
30巻6号(1988年6月発行)
シンポジウム 地域ケアと精神保健
30巻5号(1988年5月発行)
30巻4号(1988年4月発行)
創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第2部
30巻3号(1988年3月発行)
創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第1部
30巻2号(1988年2月発行)
30巻1号(1988年1月発行)
29巻12号(1987年12月発行)
特集 躁うつ病とセロトニン
29巻11号(1987年11月発行)
29巻10号(1987年10月発行)
29巻9号(1987年9月発行)
29巻8号(1987年8月発行)
29巻7号(1987年7月発行)
29巻6号(1987年6月発行)
29巻5号(1987年5月発行)
29巻4号(1987年4月発行)
29巻3号(1987年3月発行)
29巻2号(1987年2月発行)
29巻1号(1987年1月発行)
特集 老年精神医学
28巻12号(1986年12月発行)
28巻11号(1986年11月発行)
特集 脳の働きと心―大脳の機能をめぐって
28巻10号(1986年10月発行)
28巻9号(1986年9月発行)
28巻8号(1986年8月発行)
28巻7号(1986年7月発行)
28巻6号(1986年6月発行)
28巻5号(1986年5月発行)
28巻4号(1986年4月発行)
28巻3号(1986年3月発行)
28巻2号(1986年2月発行)
特集 現代の子供—心身の発達とその病理—東京都精神医学総合研究所 第13回シンボジウムから
28巻1号(1986年1月発行)
27巻12号(1985年12月発行)
特集 摂食障害の心理と治療
27巻11号(1985年11月発行)
27巻10号(1985年10月発行)
27巻9号(1985年9月発行)
27巻8号(1985年8月発行)
27巻7号(1985年7月発行)
27巻6号(1985年6月発行)
特集 前頭葉の神経心理学
27巻5号(1985年5月発行)
特集 精神分裂病の成因と治療—東京都精神医学総合研究所 第12回シンポジウムから
27巻4号(1985年4月発行)
27巻3号(1985年3月発行)
27巻2号(1985年2月発行)
特集 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)―その病態と臨床
27巻1号(1985年1月発行)
26巻12号(1984年12月発行)
26巻11号(1984年11月発行)
26巻10号(1984年10月発行)
26巻9号(1984年9月発行)
26巻8号(1984年8月発行)
26巻7号(1984年7月発行)
特集 側頭葉障害における言語症状
26巻6号(1984年6月発行)
26巻5号(1984年5月発行)
26巻4号(1984年4月発行)
26巻3号(1984年3月発行)
26巻2号(1984年2月発行)
特集 DSM-III—その有用性と問題点
26巻1号(1984年1月発行)
特集 精神疾患に対する神経内分泌的アプローチ
25巻12号(1983年12月発行)
特集 カルバマゼピンの向精神作用
25巻11号(1983年11月発行)
25巻10号(1983年10月発行)
特集 少年非行の心理と病理—東京都精神医学総合研究所 第11回シンポジウムから
25巻9号(1983年9月発行)
25巻8号(1983年8月発行)
特集 児童精神医学の現状と将来—都立梅ケ丘病院30周年記念シンポジウムから
25巻7号(1983年7月発行)
25巻6号(1983年6月発行)
25巻5号(1983年5月発行)
25巻4号(1983年4月発行)
特集 聴覚失認
25巻3号(1983年3月発行)
特集 精神医学における病態モデル
25巻2号(1983年2月発行)
特集 薬物と睡眠をめぐって
25巻1号(1983年1月発行)
24巻12号(1982年12月発行)
特集 アルコール依存症の精神医学—東京都精神医学総合研究所 第10回シンポジウムから
24巻11号(1982年11月発行)
24巻10号(1982年10月発行)
特集 精神科診療所をめぐる諸問題
24巻9号(1982年9月発行)
24巻8号(1982年8月発行)
24巻7号(1982年7月発行)
24巻6号(1982年6月発行)
24巻5号(1982年5月発行)
24巻4号(1982年4月発行)
特集 視覚失認
24巻3号(1982年3月発行)
24巻2号(1982年2月発行)
特集 リチウムの臨床と基礎—最近の話題
24巻1号(1982年1月発行)
23巻12号(1981年12月発行)
23巻11号(1981年11月発行)
特集 Ⅱ.アジアにおける精神衛生問題
23巻10号(1981年10月発行)
特集 失行
23巻9号(1981年9月発行)
23巻8号(1981年8月発行)
23巻7号(1981年7月発行)
特集 てんかんのメカニズムと治療—東京都精神医学総合研究所 第8回シンポジウムから
23巻6号(1981年6月発行)
23巻5号(1981年5月発行)
23巻4号(1981年4月発行)
23巻3号(1981年3月発行)
23巻2号(1981年2月発行)
23巻1号(1981年1月発行)
22巻12号(1980年12月発行)
特集 躁うつ病の生物学
22巻11号(1980年11月発行)
特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
22巻10号(1980年10月発行)
特集 日本精神医学と松沢病院
22巻9号(1980年9月発行)
22巻8号(1980年8月発行)
特集 思春期の精神医学的諸問題—東京都精神医学総合研究所 第7回シンポジウムから
22巻7号(1980年7月発行)
特集 Brain Function Testへのアプローチ
22巻6号(1980年6月発行)
22巻5号(1980年5月発行)
特集 睡眠研究—最近の進歩
22巻4号(1980年4月発行)
22巻3号(1980年3月発行)
22巻2号(1980年2月発行)
特集 向精神薬をめぐる最近の諸問題
22巻1号(1980年1月発行)
特集 幻覚
21巻12号(1979年12月発行)
21巻11号(1979年11月発行)
特集 精神分裂病の生物学
21巻10号(1979年10月発行)
21巻9号(1979年9月発行)
21巻8号(1979年8月発行)
特集 老人の精神障害—東京都精神医学総合研究所,第6回シンポジウムから
21巻7号(1979年7月発行)
特集 精神分裂病の遺伝因と環境因
21巻6号(1979年6月発行)
特集 創刊20周年記念 第2部
21巻5号(1979年5月発行)
特集 創刊20周年記念 第1部
21巻4号(1979年4月発行)
21巻3号(1979年3月発行)
21巻2号(1979年2月発行)
特集 妄想
21巻1号(1979年1月発行)
20巻12号(1978年12月発行)
特集 精神鑑定
20巻11号(1978年11月発行)
20巻10号(1978年10月発行)
シンポジウム 精神分裂病者の治療について—東京都精神医学総合研究所,第5回シンポジウムから
20巻9号(1978年9月発行)
20巻8号(1978年8月発行)
20巻7号(1978年7月発行)
20巻6号(1978年6月発行)
20巻5号(1978年5月発行)
20巻4号(1978年4月発行)
20巻3号(1978年3月発行)
20巻2号(1978年2月発行)
20巻1号(1978年1月発行)
19巻12号(1977年12月発行)
特集 青年期の精神病理
19巻11号(1977年11月発行)
シンポジウム こころとからだ—東京都精神医学総合研究所,第4回シンポジウムから
19巻10号(1977年10月発行)
19巻9号(1977年9月発行)
19巻8号(1977年8月発行)
特集 在宅精神医療(2)—社会復帰活動とその周辺
19巻7号(1977年7月発行)
19巻6号(1977年6月発行)
19巻5号(1977年5月発行)
19巻4号(1977年4月発行)
特集 精神分裂病の精神生理学
19巻3号(1977年3月発行)
19巻2号(1977年2月発行)
シンポジウム 生のリズムとその障害—東京都精神医学総合研究所,第3回シンポジウムから
19巻1号(1977年1月発行)
18巻12号(1976年12月発行)
特集 近代日本の宗教と精神医学
18巻11号(1976年11月発行)
18巻10号(1976年10月発行)
18巻9号(1976年9月発行)
18巻8号(1976年8月発行)
18巻7号(1976年7月発行)
18巻6号(1976年6月発行)
特集 在宅精神医療—日常生活における指導と治療
18巻5号(1976年5月発行)
シンポジウム 大都市の病理と精神障害—東京都精神医学総合研究所第2回シンポジウムから
18巻4号(1976年4月発行)
18巻3号(1976年3月発行)
18巻2号(1976年2月発行)
18巻1号(1976年1月発行)
17巻13号(1975年12月発行)
臨時増刊号特集 精神医学における日本的特性
17巻12号(1975年12月発行)
17巻11号(1975年11月発行)
17巻10号(1975年10月発行)
17巻9号(1975年9月発行)
17巻8号(1975年8月発行)
17巻7号(1975年7月発行)
17巻6号(1975年6月発行)
17巻5号(1975年5月発行)
17巻4号(1975年4月発行)
17巻3号(1975年3月発行)
17巻2号(1975年2月発行)
17巻1号(1975年1月発行)
16巻12号(1974年12月発行)
16巻11号(1974年11月発行)
シンポジウム 現代における精神医学研究の課題—東京都精神医学総合研究所開設記念シンポジウムから
16巻10号(1974年10月発行)
16巻9号(1974年9月発行)
16巻7号(1974年7月発行)
シンポジウム 向精神薬療法の現状と問題点—Dr. Frank J. Ayd, Jr. を迎えて
16巻6号(1974年6月発行)
誌上シンポジウム 日本の精神医療についての4つの意見
16巻5号(1974年5月発行)
16巻4号(1974年4月発行)
16巻3号(1974年3月発行)
16巻2号(1974年2月発行)
16巻1号(1974年1月発行)
15巻12号(1973年12月発行)
特集 精神障害と家族
15巻11号(1973年11月発行)
15巻10号(1973年10月発行)
15巻9号(1973年9月発行)
15巻8号(1973年8月発行)
15巻7号(1973年7月発行)
15巻6号(1973年6月発行)
15巻5号(1973年5月発行)
15巻4号(1973年4月発行)
特集 痴呆の臨床と鑑別
15巻3号(1973年3月発行)
15巻2号(1973年2月発行)
15巻1号(1973年1月発行)
14巻12号(1972年12月発行)
特集 精神障害者の動態
14巻11号(1972年11月発行)
14巻10号(1972年10月発行)
14巻9号(1972年9月発行)
14巻8号(1972年8月発行)
14巻7号(1972年7月発行)
14巻6号(1972年6月発行)
14巻5号(1972年5月発行)
特集 てんかん分類へのアプローチ
14巻4号(1972年4月発行)
14巻3号(1972年3月発行)
14巻2号(1972年2月発行)
特集 作業療法
14巻1号(1972年1月発行)
13巻12号(1971年12月発行)
特集 社会変動と精神医学
13巻11号(1971年11月発行)
13巻10号(1971年10月発行)
特集 内因性精神病の生物学的研究
13巻9号(1971年9月発行)
13巻8号(1971年8月発行)
13巻7号(1971年7月発行)
13巻6号(1971年6月発行)
13巻5号(1971年5月発行)
特集 向精神薬をめぐる問題点
13巻4号(1971年4月発行)
13巻3号(1971年3月発行)
13巻2号(1971年2月発行)
13巻1号(1971年1月発行)
12巻12号(1970年12月発行)
特集 社会のなかの精神科医
12巻11号(1970年11月発行)
12巻10号(1970年10月発行)
12巻9号(1970年9月発行)
12巻8号(1970年8月発行)
12巻7号(1970年7月発行)
12巻6号(1970年6月発行)
特集 境界例の病理と治療
12巻5号(1970年5月発行)
特集 対人恐怖
12巻4号(1970年4月発行)
12巻3号(1970年3月発行)
12巻2号(1970年2月発行)
特集 医療危機と精神科医—第6回日本精神病理・精神療法学会 討論集会をめぐって
12巻1号(1970年1月発行)
11巻12号(1969年12月発行)
11巻11号(1969年11月発行)
11巻10号(1969年10月発行)
11巻9号(1969年9月発行)
11巻8号(1969年8月発行)
11巻7号(1969年7月発行)
11巻6号(1969年6月発行)
11巻5号(1969年5月発行)
特集 心気症をめぐつて
11巻4号(1969年4月発行)
11巻3号(1969年3月発行)
特集 医学教育と精神療法
11巻2号(1969年2月発行)
11巻1号(1969年1月発行)
10巻12号(1968年12月発行)
10巻11号(1968年11月発行)
10巻10号(1968年10月発行)
10巻9号(1968年9月発行)
10巻8号(1968年8月発行)
10巻7号(1968年7月発行)
特集 集団精神療法(日本精神病理・精神療法学会第4回大会シンポジウム)
10巻6号(1968年6月発行)
10巻5号(1968年5月発行)
特集 うつ病—日本精神病理・精神療法学会(第4回大会シンポジウム)
10巻4号(1968年4月発行)
10巻3号(1968年3月発行)
10巻2号(1968年2月発行)
10巻1号(1968年1月発行)
9巻12号(1967年12月発行)
9巻11号(1967年11月発行)
9巻10号(1967年10月発行)
9巻9号(1967年9月発行)
9巻8号(1967年8月発行)
9巻7号(1967年7月発行)
特集 精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐって
9巻6号(1967年6月発行)
特集 心因をめぐる諸問題
9巻5号(1967年5月発行)
特集 創造と表現の病理
9巻4号(1967年4月発行)
特集 精神療法における治癒機転
9巻3号(1967年3月発行)
9巻2号(1967年2月発行)
特集 精神分裂病の診断基準—とくに“Praecoxgefühl”について
9巻1号(1967年1月発行)
特集 内因性精神病の疾病論
8巻12号(1966年12月発行)
特集 うつ病の臨床
8巻11号(1966年11月発行)
特集 宗教と精神医学
8巻10号(1966年10月発行)
特集 地域精神医学—その理論と実践
8巻9号(1966年9月発行)
8巻8号(1966年8月発行)
8巻7号(1966年7月発行)
特集 精神医療体系のなかでの精神病院の位置づけ
8巻6号(1966年6月発行)
特集 薬物と精神療法
8巻5号(1966年5月発行)
8巻4号(1966年4月発行)
特集 精神分裂病の家族研究
8巻3号(1966年3月発行)
特集 精神活動とポリグラフ
8巻2号(1966年2月発行)
8巻1号(1966年1月発行)
7巻12号(1965年12月発行)
7巻11号(1965年11月発行)
7巻10号(1965年10月発行)
7巻9号(1965年9月発行)
7巻8号(1965年8月発行)
7巻7号(1965年7月発行)
7巻6号(1965年6月発行)
特集 呉秀三先生の生誕100年を記念して
7巻5号(1965年5月発行)
7巻4号(1965年4月発行)
7巻3号(1965年3月発行)
特集 精神分裂病の“治癒”とは何か
7巻2号(1965年2月発行)
特集 精神療法の限界と危険
7巻1号(1965年1月発行)
6巻12号(1964年12月発行)
6巻11号(1964年11月発行)
特集 向精神薬・抗けいれん剤の効果判定法
6巻10号(1964年10月発行)
6巻9号(1964年9月発行)
6巻8号(1964年8月発行)
6巻7号(1964年7月発行)
6巻6号(1964年6月発行)
6巻5号(1964年5月発行)
6巻4号(1964年4月発行)
6巻3号(1964年3月発行)
6巻2号(1964年2月発行)
特集 神経症の日本的特性
6巻1号(1964年1月発行)
特集 近接領域からの発言
5巻12号(1963年12月発行)
5巻11号(1963年11月発行)
5巻10号(1963年10月発行)
5巻9号(1963年9月発行)
5巻8号(1963年8月発行)
5巻7号(1963年7月発行)
5巻6号(1963年6月発行)
5巻5号(1963年5月発行)
5巻4号(1963年4月発行)
5巻3号(1963年3月発行)
特集 てんかん
5巻2号(1963年2月発行)
特集 病識〔精神病理懇話会講演および討議〕
5巻1号(1963年1月発行)
4巻12号(1962年12月発行)
4巻11号(1962年11月発行)
特集 睡眠
4巻10号(1962年10月発行)
4巻9号(1962年9月発行)
4巻8号(1962年8月発行)
4巻7号(1962年7月発行)
4巻6号(1962年6月発行)
4巻5号(1962年5月発行)
4巻4号(1962年4月発行)
4巻3号(1962年3月発行)
4巻2号(1962年2月発行)
4巻1号(1962年1月発行)
3巻12号(1961年12月発行)
特集 非定型内因性精神病
3巻11号(1961年11月発行)
3巻10号(1961年10月発行)
3巻9号(1961年9月発行)
3巻8号(1961年8月発行)
3巻7号(1961年7月発行)
3巻6号(1961年6月発行)
3巻5号(1961年5月発行)
3巻4号(1961年4月発行)
3巻3号(1961年3月発行)
3巻2号(1961年2月発行)
3巻1号(1961年1月発行)
特集 妄想の人間学—精神病理懇話会講演ならびに討論