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増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98
特集にあたって
著者: 金生由紀子1
所属機関: 1東京大学大学院医学研究科こころの発達医学分野
ページ範囲:P.515 - P.515
文献購入ページに移動 発達障害という言葉が,最近では一般に浸透したと言える。日常用語になってきた一方で,使用する人によって指し示す内容にいくらかの相違があるのも事実である。どのような文脈で用いられるかにも留意する必要があろう。
また,以前に考えられていたより頻度が高いことも共通認識になっていると思う。たとえば,2022年の文部科学省の調査では,限局性学習症,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)および自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)のスクリーニングに使用するLDI-R,ADHD-RSおよびASSQという質問紙を用いて通常学級の小・中学生を評価したところ,カットオフを超えた者の頻度は8.8%であった。知的発達症をはじめとするその他の発達障害を含めると,発達障害全体で頻度は10%以上と思われる。診断基準には達しないものの発達障害と連続する発達特性があって一定の配慮を要する者も含むと,その頻度はさらに高くなるだろう。大人の発達障害もまれではなく,発達障害はすべての精神科医にとって患者の理解に必要な視点の1つと思われる。
また,以前に考えられていたより頻度が高いことも共通認識になっていると思う。たとえば,2022年の文部科学省の調査では,限局性学習症,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)および自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)のスクリーニングに使用するLDI-R,ADHD-RSおよびASSQという質問紙を用いて通常学級の小・中学生を評価したところ,カットオフを超えた者の頻度は8.8%であった。知的発達症をはじめとするその他の発達障害を含めると,発達障害全体で頻度は10%以上と思われる。診断基準には達しないものの発達障害と連続する発達特性があって一定の配慮を要する者も含むと,その頻度はさらに高くなるだろう。大人の発達障害もまれではなく,発達障害はすべての精神科医にとって患者の理解に必要な視点の1つと思われる。
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