文献詳細
増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98
1 概念
文献概要
A 発達障害(神経発達症,neurodevelopmental disorders)には自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などを中心に疾病分類がなされています。それぞれの臨床的な特徴は診断基準に具体的に明記されているので,相違点は比較的理解しやすいと思います。それよりも臨床上で重要なことは,まず発達障害に共通する特徴を理解することです。すなわち,①症状は年齢とともに刻々と変化する,②適応の程度は,環境とのかかわりや養育の在り方,療育などによって著しい幅が生じる,③それぞれの特性はスペクトラムである,④したがって,診断閾値以下の特性を持つ児・者が数多く存在する,⑤知的能力のばらつき(distortion)が認められることが多い(図1),⑥神経発達症はASDとADHDを中心に互いに併存することが多い(図2),です。
参考文献
1)青木豊・松本英夫(編著):乳幼児精神保健の基礎と実践.岩崎学術出版,pp 152-177,2017
edition Text Revision:DSM-Ⅳ-TR. American Psychiatry Association, 2000
edition:DSM-5. American Psychiatry Association, 2013[髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014]
掲載誌情報