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増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 2 疫学
Q9 発達障害はなぜ増えているのですか?
著者: 松浦直己1
所属機関: 1三重大学教育学部
ページ範囲:P.553 - P.555
文献購入ページに移動A 発達障害が増えているという確実なエビデンスはありません。しかし「発達障害と診断される方」や,「特別な支援が必要な方」は増えています。その理由として①発達障害に対する理解,すなわち社会的認知度が高まったことで,「増えた」というように認識されている(誤謬の可能性),②発達障害の症状は多様で他の障害と合併しやすく,診断概念の拡大や診断の閾値が下がることで,増加している,と捉えられている可能性があります。
参考文献
1)American Psychiatric Association(原著),髙橋三郎,大野裕(監修):DSM-5精神疾患の分類と診断の手引.医学書院,2014
2)発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号) https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC1000000167[2023年1月10日閲覧]
3)Paris J(原著),松崎朝樹(訳):DSM-5をつかうということ—その可能性と限界.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2015
4)松浦直己(監修),三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校(編著):気になる子どもが変わる16の鉄則—三重県立かがやき特別支援学校あすなろ分校の教育プログラム.中央法規出版,2022
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