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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻5号

2023年05月発行

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 4 診断

Q29 「著しく不器用で日常生活や学習で困ることがしばしばです」と受診されました。どのように評価して診断したらよいでしょうか?

著者: 前田洋佐12

所属機関: 1特定非営利活動法人クラマウリ 2京都市児童福祉センター診療所

ページ範囲:P.615 - P.617

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A 協調運動の問題が生じうる身体疾患(神経・筋・代謝内分泌など)を除外します。発達・知能検査などから知的水準を把握します。DCDQ・MABC-2などの国際標準のアセスメントツールが臨床使用できない現時点において,協調運動の個別検査が実施困難な施設では,外来診療で可能な範囲の微細神経学的徴候と眼球運動の簡易評価,巧緻性・粗大運動・感覚面の問診と観察,視知覚・視覚認知に関連する心理アセスメントの項目などにより評価・助言を行います。

参考文献

1)岩永竜一郎:発達障害支援・特別支援教育ナビ 発達障害のある子の感覚・運動への支援.金子書房,2022
2)玉井浩,若宮英司:子どもの学びと向き合う医療スタッフのためのLD診療・支援入門.診断と治療社,2016
3)柏木充,鈴木周平:問診と神経学的微細徴候による不器用さの簡易判定法について(9歳以上13歳未満での検討)—発達性協調運動障害診断の指標として.脳と発達 41:343-348, 2009
4)Harris SR, Mickelson ECR, Zwicker JG:Diagnosis and management of developmental coordination disorder. CMAJ 187:659-665, 2015
5)Blank R, Barnett AL, Cairney J, et al:International clinical practice recommendations on the definition, diagnosis, assessment, intervention, and psychosocial aspects of developmental coordination disorder. Dev Med Child Neurol 61:242-285, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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