icon fsr

雑誌詳細

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 4 診断

Q35 発達障害の特性はあるものの診断閾値下(いわゆるグレーゾーン)である場合,今後,どのような対応が考えられますか?

著者: 渡邉慶一郎1 若杉美樹1

所属機関: 1東京大学相談支援研究開発センター

ページ範囲:P.632 - P.634

A 問題となるのは特性が診断基準を満たすほど強くないのに,本人や周囲の人が困る状況でしょう。こうした場合は発達障害の支援技術を活用するのが現実的です。薬物療法や福祉資源などを除けば,日常的に実施できる工夫は多いです。支援技術を活用する場合は,かかわる人と本人自身が,特性を理解し受けとめていることが大切です。発達障害への偏見が今後も少なくなり,グレーゾーンの人の困りごとが少なくなることを願っています。

参考文献

1)𠮷田友子:自閉スペクトラムと自閉スペクトラム症—「グレーゾーン」再考.児童青年精神医学とその近接領域 58:537-543, 2017
2)本田秀夫:大人になった発達障害.認知神経科学 19:33-39, 2017
3)杉山登志郎,小倉正義,岡南:ギフテッド 天才の育て方.学研プラス,2009
4)Nyrenius J, Eberhard J, Ghaziuddin M, et al:Prevalence of autism spectrum disorders in adult outpatient psychiatry. J Autism Dev Disord 52:3769-3779, 2022
5)Dell'Osso L, Gesi C, Massimetti E, et al:Adult autism subthreshold spectrum(AdAS Spectrum):validation of a questionnaire investigating subthreshold autism spectrum. Comprehensivr Psychiatry 73:61-83, 2017

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?