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雑誌詳細

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 5 鑑別と併存

Q42 神経発達症(自閉スペクトラム症,知的能力障害)と,統合失調症を中心とした精神病性障害との鑑別について教えてください

著者: 田中究1 石橋直木1 尾崎仁1

所属機関: 1兵庫県立ひょうごこころの医療センター

ページ範囲:P.652 - P.656

A 発達障害(ASD,ID)は基本的に生来性で,一般的には乳幼児期,学童期に発達遅滞や発達の偏りによって気づかれる障害です。統合失調症は学童期後期以降おおむね30歳以前に発症する疾患で,独特な思考障害,知覚障害,自我障害,感情障害を特徴として,通常は意識障害,知的障害を伴いません。したがって,生育歴,精神変調の内容と発症時期の詳細を明確にすることが鑑別には必須となります。

参考文献

1)大熊輝夫(原著),「現代臨床精神医学」第12版改訂委員会(編集):現代臨床精神医学 改訂12版.金原出版,2013
2)阿部隆明:横断面の症状から見た統合失調症と自閉スペクトラム症の鑑別.児童青年精神医学とその近接領域58:54-59, 2017
3)内海健:自閉スペクトラム症の精神病理—星をつぐひとたちのために.医学書院,2015
4)広沢正孝:「こころの構造」からみた精神病理—広汎性発達障害と統合失調症をめぐって.岩崎学術出版,2013
1)加藤敏:成人期のアスペルガー症候群(障害)とシゾイドパーソナリティ障害,および統合失調病質(Kretschmer).精神医学 50:669-679, 2008

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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