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雑誌詳細

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 5 鑑別と併存

Q49 発達障害と不安障害の鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?

著者: 石飛信1

所属機関: 1医療法人全人会仁恵病院精神科

ページ範囲:P.672 - P.674

A 不安障害(不安症群)は発達障害のある人での合併率が高いので,当事者に何らかの不安症状が認められた場合には,“鑑別”という観点で考えるより,“何らかの発達障害(または発達障害特性)が不安症状の表出に関係していないか?”という視点をもつことが大事です。併存例での不安症状は言語化されることが少なく,周囲から長期間理解されなかったり,身体症状や衝動行為として表面化したりすることがあります。

参考文献

1)White S, Oswald D, Ollendick T, et al:Anxiety in children and adolescents with autism spectrum disorders. Clin Psychol Rev 29:216-229, 2009
2)鈴木太,本城秀次:小児期に特異的に発症する情緒障害.精神科治療学 25:280-282, 2010
3)Kendall T, Megnin-Viggars O, Gould N, et al:Management of autism in children and young people:summary of NICE and SCIE guidance. BMJ 347:f4865, 2013
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5)石川信一,村澤孝子,岡琢哉,他:小学校におけるメンタルヘルス予防プログラムの実装.「こころの健康教室サニタ」心の健康発達・成長支援マニュアル2020,pp 99-106, 2019 https://sanita-mentale.jp/support-manual/[2023年1月10日閲覧]

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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