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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻5号

2023年05月発行

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 5 鑑別と併存

Q49 発達障害と不安障害の鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?

著者: 石飛信1

所属機関: 1医療法人全人会仁恵病院精神科

ページ範囲:P.672 - P.674

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A 不安障害(不安症群)は発達障害のある人での合併率が高いので,当事者に何らかの不安症状が認められた場合には,“鑑別”という観点で考えるより,“何らかの発達障害(または発達障害特性)が不安症状の表出に関係していないか?”という視点をもつことが大事です。併存例での不安症状は言語化されることが少なく,周囲から長期間理解されなかったり,身体症状や衝動行為として表面化したりすることがあります。

参考文献

1)White S, Oswald D, Ollendick T, et al:Anxiety in children and adolescents with autism spectrum disorders. Clin Psychol Rev 29:216-229, 2009
2)鈴木太,本城秀次:小児期に特異的に発症する情緒障害.精神科治療学 25:280-282, 2010
3)Kendall T, Megnin-Viggars O, Gould N, et al:Management of autism in children and young people:summary of NICE and SCIE guidance. BMJ 347:f4865, 2013
4)野中俊介,岡島純子,三宅篤子,他:自閉スペクトラム症児童の不安に対する集団認知行動療法プログラムの開発—実施可能性に関する予備的検討.児童青年精神医学とその近接領域 58:261-277, 2017
5)石川信一,村澤孝子,岡琢哉,他:小学校におけるメンタルヘルス予防プログラムの実装.「こころの健康教室サニタ」心の健康発達・成長支援マニュアル2020,pp 99-106, 2019 https://sanita-mentale.jp/support-manual/[2023年1月10日閲覧]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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