icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻5号

2023年05月発行

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 5 鑑別と併存

Q51 発達障害とパーソナリティ障害との鑑別のポイントを教えてください。一方で併存例も少なくないと思われますが,どのような特徴がありますか?

著者: 岡野憲一郎12

所属機関: 1本郷の森診療所 2京都大学

ページ範囲:P.679 - P.681

文献購入ページに移動
A 他者との関係が希薄で孤立しがちな人は,自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害とパーソナリティ障害(PD)のどちらかに当てはまる可能性があります。ただしASDは幼少時からその傾向がみられ,通常は狭い範囲でのこだわりや興味が伴います。他方のPD(スキゾイドなど)は思春期以降に明らかになり,背後に対人恐怖傾向を伴うと見るべきでしょう。ただし両者はしばしば併存するため,二者択一的な診断を過剰に求めるべきではありません。

参考文献

1)織部直弥,鬼塚俊明:シゾイドパーソナリティ障害/スキゾイドパーソナリティ.神庭重信,池田学(編集).DSM-5を読み解く5,神経認知障害群,パーソナリティ障害群,性別違和,パラフィリア障害群,性機能不全群.中山書店,pp 171-174, 2014
2)Booules-Katri TM, Pedreño C, Navarro JB, et al:Theory of mind(ToM)performance in high functioning autism(HFA)and schizotypal-schizoid personality disorders(SSPD)patients. J Autism Dev Disord 49:3376-3386, 2019
3)Stanfield AC, Philip RCM, Whalley H, et al:Dissociation of brain activation in autism and schizotypal personality disorder during social judgments. Schizophr Bull 43:1220-1228, 2017
4)Dudas RB, Lovejoy C, Cassidy S, et al:The overlap between autistic spectrum conditions and borderline personality disorder. PLoS One 12:e0184447, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?