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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻5号

2023年05月発行

文献概要

増大号特集 いま,知っておきたい発達障害 Q&A 98 6 治療

Q86 自閉スペクトラム症(ASD)に対する薬物療法は,どのような症状にどのような治療薬が検討されますか?

著者: 吉村裕太1 田口公之1 石田匡宏1

所属機関: 1福岡大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.801 - P.803

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A 最も重要なポイントは,本人と一緒に困難に取り組む関係性を作り,症状の成り立ちを検討することや環境調整といった非薬物療法がメインの治療法であるということです。ASDの中核症状は,対人相互交流の成立のしがたさと限定的で繰り返される関心や活動です。これらの中核症状に対する有効性の確立された薬物治療は現時点では存在しません。易刺激性,易怒性,感覚過敏などの随伴特性に対しては,非定型抗精神病薬を用いることが多く,リスペリドンとアリピプラゾールは特に有効性を示す報告が多いです1)。またASDは,二次障害として気分障害や不安障害などの合併頻度が高いため,これらには,各種の標準的な治療を行います。

参考文献

1)中西葉子,飯田順三:ASDの治療.診断と治療 107:1341-1344, 2019
2)原田剛志:薬物療法のコツ.小児内科 54:1167-1170, 2022
3)宇佐美政英:子どものメンタルヘルスにおける薬物療法.月刊薬事 62(8):146-154, 2020
4)宇野洋太,内山登紀夫:自閉スペクトラム症における薬物療法の位置付け.臨床精神薬理 25:693-698, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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