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文献詳細

雑誌文献

精神医学65巻7号

2023年07月発行

文献概要

短報

強度行動障害のある自閉スペクトラム症男児の入院治療における保育士の役割

著者: 荒木陽子1 川内裕子1 坂上沙織1 宮尾隆行1 鳥羽麻奈美1 花房昌美1 岩田和彦1

所属機関: 1大阪精神医療センター

ページ範囲:P.1058 - P.1061

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抄録
 大阪精神医療センター児童病棟は,医療型障害児入所施設の機能も有しているため,児童精神科医,看護師のほかに保育士などが配置されている。今回我々は,幼少時に療育を受ける機会がないまま就学し,いじめやからかいを受け,不適応行動のため小学校や福祉現場から受け入れが難しくなった10歳自閉症男児の症例を経験した。医師や看護師が不適応行動の変容に注目する一方で,保育士は複数の職員と愛着関係を育むよう働きかけ,男児の対人相互交流能力を高めた。こうした人手がかかる治療は,公的病院でさえ医療経済的に担うのが難しくなりつつあり,診療報酬上でも,保育士の配置や個別療育に関し加算評価が望まれる。

参考文献

1)Aman MG, Singh NN(著),小野善郎(訳・著):異常行動チェックリスト日本語版(ABC-J)による発達障害の臨床評価.じほう,2006
2)中尾静代,松本功枝,中村みゆき,他:児童青年精神科医療における保母の役割について一考察.児童青年精神医学とその近接領域 36:60-61, 1995
3)吉田芳子,平島摂子,堀真貴子,他:児童精神科医療施設における保母の役割.児童青年精神医学とその近接領域 38:92-93, 1997
4)別府哲:障害を持つ子どもにおけるアタッチメント.数井みゆき,遠藤利彦(編著):アタッチメントと臨床領域.ミネルヴァ書房,pp 59-78, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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