文献詳細
文献概要
特集 複雑性PTSDの臨床
複雑性PTSDを診るときに心がけていること
著者: 青木省三12
所属機関: 1公益財団法人慈圭会 精神医学研究所 2公益財団法人慈圭会 慈圭病院
ページ範囲:P.1101 - P.1107
文献購入ページに移動治療や支援においては,①過去にトラウマがあるのではないか,②過去のトラウマを賦活してはいないか,③新たなトラウマを作ってはいないか,に配慮することが求められる。本稿では,複雑性PTSDを中心に,トラウマを疑うのはどんなときか,妄想的な部分はあっても,過去のトラウマから発展したトラウマ反応と考えることはできないか,回避を尊重した支援体制のほうが望ましい場合もあるのではないか,ボーダーラインパーソナリティ症と捉えることが不安定さを引き起こすことはないか,などについて,症例を呈示しながら考察した。トラウマからの回復は一様なものではなく,その人なりの癒え方を尊重することが大切になると考えた。
参考文献
掲載誌情報