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雑誌詳細

文献概要

特集 複雑性PTSDの臨床

複雑性PTSDの体験世界と接し方の基本を知ろう

著者: 原田誠一1

所属機関: 1原田メンタルクリニック・東京認知行動療法研究所

ページ範囲:P.1108 - P.1115

抄録
 複雑性心的外傷後ストレス症(PTSD)の診療に携わる臨床家は,当事者が日常生活でどのような体験をしているかを具体的に知り,その特徴をふまえた接し方の基本を身につけることが望ましい。ともすれば紛糾しやすい複雑性PTSDの診療をできるだけスムーズに進めて,当事者,家族,治療者の負担を必要以上に大きくしないために,この準備作業が大いに役立つだろう。本稿では,初めに「複雑性PTSDの当事者の体験世界」に関する筆者なりの説明を9項目に分けて行い,次いで筆者が考える「接し方の基本」を紹介する。

参考文献

1)原田誠一:複雑性PTSDの当事者と接する際の基礎知識.精神療法 47:551-555, 2021
2)平木典子(監):よくわかるアサーション—自分の気持ちの伝え方.自分も,相手も大切にする,気持ちのよい自己表現.主婦の友社,2012
3)神田橋條治:ともに.精神療法 44:318-319, 2018
4)神田橋條治:複雑なPTSDの治療手順.精神療法 45:329-335, 2019(文献9収載)
5)神田橋條治:心身養生のコツ.岩崎学術出版社,2019
6)神田橋條治:治療のための精神分析ノート.創元社,2016
7)飛鳥井望,神田橋條治,高木俊介,他:複雑性PTSDとは何か—四人の精神科医の座談会とエッセイ.金剛出版,2022
8)原田誠一:短時間の外来診療における複雑性PTSDへの対応—「複雑性外傷記憶」概念を導入して行う心理教育と精神療法の試み.精神療法 44:533-535, 2018(文献9収載)
9)原田誠一(編):複雑性PTSDの臨床—“心的外傷〜トラウマ”の診断力と対応力を高めよう.金剛出版,2021
10)原田誠一:複雑性PTSD臨床に携わるようになった経緯と我流・支援のあらまし.トラウマティック・ストレス 21:22-33, 2023

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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