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文献概要
特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
特集にあたって
著者: 永田利彦1
所属機関: 1壱燈会なんば・ながたメンタルクリニック
ページ範囲:P.1217 - P.1217
文献購入ページに移動 摂食障害(摂食症)は拡がり続けている。今や「年代,性的自認,人種,地域にかかわらず罹りうる」一般的な精神疾患となった。さらに,コロナ禍の中,青年期の神経性やせ症の急増が全世界から報告されている。そして数多くの治療研究がなされてきたが,その予後は改善されないままで,低年齢化に加えて中高年の慢性遷延例(severe and enduring eating disorder:SEED)も大きな課題である。
ここ10年の大きな動きは,エビデンスフリーとされてきた神経性やせ症の外来治療において18歳以下,病歴3年未満という条件があるが,家族をベースとする治療(family based treatment:FBT)の有効性が多くのランダム化比較試験により確立したことである。摂食障害が先進諸国の良家の子女に限られていた時代には,入院によって患者が家族と物理的な距離を置くことが必須であった。ところが急増したのは,都市化と高等教育機関の庶民化に伴いすべての人が痩身に憧れ,ダイエットに励むようになった後で,家族が重要な治療資源であることが再認識された。
ここ10年の大きな動きは,エビデンスフリーとされてきた神経性やせ症の外来治療において18歳以下,病歴3年未満という条件があるが,家族をベースとする治療(family based treatment:FBT)の有効性が多くのランダム化比較試験により確立したことである。摂食障害が先進諸国の良家の子女に限られていた時代には,入院によって患者が家族と物理的な距離を置くことが必須であった。ところが急増したのは,都市化と高等教育機関の庶民化に伴いすべての人が痩身に憧れ,ダイエットに励むようになった後で,家族が重要な治療資源であることが再認識された。
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