文献詳細
書評
—三村 將 担当編集 〈講座 精神疾患の臨床〉3—不安または恐怖関連症群 強迫症 ストレス関連症群 パーソナリティ症/—久住一郎 担当編集 〈講座 精神疾患の臨床〉4—身体的苦痛症群 解離症群 心身症 食行動症または摂食症群 フリーアクセス
著者: 根本隆洋1
所属機関: 1東邦大医学部精神神経医学講座・社会実装精神医学講座
ページ範囲:P.109 - P.109
文献概要
精神科における操作的診断基準の変遷に関わる個人的体験は,これらに似ている。格別不自由さはないのに変わっていく。新しいほうの粗を探し,用語の不慣れに眉をひそめ,拒むわけではないが古いままでもと,得心を試みる。しかし,携帯電話やパソコンのように,新しさを受け入れ馴染むしかないのである。DSM-IVがDSM-5になり,そしてICD-10がICD-11になった。DSM-5は大きく変わったが,従前的なICD-10の存在が現状維持の許容感を醸し出していた。しかし,DSM-5と連動するかたちでICD-11も激烈な変化を遂げた。危急反応“fight or flight”。闘争か逃走か,逃げ道が塞がれたからには,向き合い学ぶしかない。
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