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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻10号

2024年10月発行

文献概要

特集 不登校の理解と支援 【社会資源との連携】

「メガネ」を外してみませんか?—不登校「理解」の歴史から「支援」を考える

著者: 山下耕平1

所属機関: 1NPO法人フォロ

ページ範囲:P.1336 - P.1341

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抄録
 本特集のテーマ「不登校の理解と支援」を考えるにあたって,まずは不登校がいかに「理解」されてきたかをたどり,それがどのような「支援」と結びついてきたかを考える。時代とともに,不登校への理解は進んできたように思える反面,子どもや若者の生きづらさは増しているように思える。それは,業績承認ばかりが肥大化し,評価のまなざしが社会のすみずみ,個々人の心身や言動のすみずみにまで浸透し,がんばる人が認められる道は多様になったものの,がんばれない人への圧力はかつてないほど高まっているからではないか。かつては登校/不登校の線引きが大きな問題だったが,現在は,生産性の有/無へと線引きの視点がシフトしている。そうした状況のなか,不登校への支援はいかにあるべきか。周囲に求められるのは,それぞれが自分の「メガネ」を外すことではないか。子どもを問題視して介入するのではなく,肯定し信頼しながら連携していくことを模索したい。

参考文献

1)文部省:生徒の健全育成をめぐる諸問題—登校拒否問題を中心に.1983
2)文部省:登校拒否(不登校)問題について.1992
3)文部科学省:不登校児童生徒への支援に関する最終報告.2016
4)文部科学省:今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について.2022
5)文部科学省:令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について.2023
6)渡辺位:講演録・不登校は文化の森の入口.NPO法人フォロ,2002 http://www.foro.jp/hzcm/?p=26〔2024年7月1日閲覧〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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