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特集 不登校の理解と支援 【社会資源との連携】
不登校に伴う家族への支援
著者: 牛島洋景1
所属機関: 1うしじまこころの診療所
ページ範囲:P.1342 - P.1347
文献購入ページに移動不登校の支援において家族への支援は必須のことである。しかし,家族への支援には多くの矛盾や支援者の葛藤が含まれていることを忘れてはならない。家族への支援はサポーティブな側面がある一方で,家族への侵襲的な要素が含まれているなど矛盾を含んでおり,それぞれの思いを慮る必要がある。不登校の子どもの病理を家族が理解することが必要である一方,無理に理解するように促すことが,家族の自責の念や支援者への不信感を惹起する可能性がある。かといって,家族の思いを理解することのみでは,子どもへの対応が疎かになる。治療者はその葛藤を自覚しながら,バランスよく支援にあたるべきである。相談に訪れた家族の反応を十分に見極め,支援計画を立てる必要がある。その支援の先にある家庭と社会との再統合を見据える感覚を忘れずに,他機関との連携も密に行うとよいであろう。
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