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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻12号

2024年12月発行

特集 「治療を終える」に向き合う

【総論】

精神疾患の「治療を終える」とは

著者: 青木省三1

所属機関: 1公益財団法人慈圭会精神医学研究所

ページ範囲:P.1504 - P.1508

文献概要

抄録
 精神疾患においては,患者と家族は「終わりのある急性疾患」と考え,治療者・支援者は「長い経過をたどる慢性疾患」と考えるという,乖離が生じやすい。その意味からも,一定の安定した状態が続けば,いったんは「急性疾患として治療を終える」という選択肢もあるのではないかと筆者は考えるようになった。また,治療を終える際には,「困った時には相談に来てほしい」と伝えるだけでなく,患者が社会の中で孤立しないような配慮が必要と考えた。そして,通院の経路,治療のバトンを渡すこと,通院歴の空白,転地や転院を繰り返すこと,再発・再燃を通院や服薬をやめたせいにしないこと,などについて,「治療を終える」という視点から論じた。

参考文献

1)日本神経精神薬理学会/日本臨床精神神経薬理学会(編):統合失調症薬物治療ガイドライン2022.医学書院,2022
2)青木省三:精神科医という仕事—日常臨床の精神療法.金剛出版,2023
3)中井久夫,山口直彦:看護のための精神医学,第2版.医学書院,2004
4)湯浅修一:“お馴染み”の治療関係—治療者から独立しない人びと.吉松和哉(編):分裂病の精神病理11.pp249-274,東京大学出版会,1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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