icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻12号

2024年12月発行

特集 「治療を終える」に向き合う

【双極症】 〈column〉

編者より:双極症の「治療主体感」 フリーアクセス

著者: 福田正人1

所属機関: 1群馬大学

ページ範囲:P.1555 - P.1555

文献概要

 双極症の治療は,病状が安定してからも継続するというのが,現在の精神医療の推奨である。それを踏まえて,「治療を終える」という難しいテーマについて,深い経験に基づく知恵をいただくことができた。
 「逆説的ではあるが,薬物療法を終えるという選択肢を持つことこそが,薬物療法の継続のために,有効な方法ということになる」(加藤忠史氏),「『治療を終えたい』と願うのは当然であると,患者の感情を肯定」し,「“無理が利く”健康な自分には戻ることができないという喪失感に寄り添いながら,新しい生活スタイルを模索する患者を支える」(利重裕子氏・水島広子氏),「セルフ・コンパッションが育まれ…自分の人生に意味を見出せ…多少の困難は乗り越えていける自分に対していささかの誇りと自信を持てている」(寺尾岳氏)というコメントのいずれもが,治療の主体は自分であるという当事者の感覚を元にしたものであることが印象に残った。「治療主体感」と呼べばよいだろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら