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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻12号

2024年12月発行

特集 「治療を終える」に向き合う

【統合失調症】

治療のあとの社会復帰のために

著者: 大森哲郎1

所属機関: 1社会医療法人あいざと会藍里病院

ページ範囲:P.1588 - P.1591

文献概要

抄録
 社会復帰ができれば,あるいは十分に社会参加ができれば,病気は社会的には治っている。身体障害や視覚障害を例にとると,積極的治療は完了しており,社会参加のためには生活障害(disability)ないしハンディキャップに対する社会の支援と理解が決定的に重要となる。統合失調症でも,症状残存というよりは持続性のハンディキャップを負った状態と見るのが現実的となることは少なくない。この観点からは,社会復帰の成否を左右する最大のポイントは,社会の支援と理解と受け入れである。はたしてそれは十分か。ただし,統合失調症におけるハンディキャップは病気の症状との区別が常に可変的である点は,追求すべき課題である。

参考文献

1)Lieberman RP, Kopelowicz A, Ventura J, et al:Operational criteria and factors related to recovery from schizophrenia. Int Rev Psychiatry 14:256-272, 2002
2)Robinson DG, Woerner MG, McMeniman, M, et al:Symptomatic and functional recovery from a first episode of schizophrenia or schizoaffective disorder. Am J Psychiatry 161:473-479, 2004[PMID:14992973]
3)Jääskeläinen E, Juola P, Hirvonen N, et al:A systematic review and meta-analysis of recovery in schizophrenia. Schizophr Bull 39:1296-1306, 2013[PMID:23172003]
4)社会福祉法人日本視覚障害者団体連合ホームページ:点字ブロックについて. http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free/induction-block/[2024年8月22日閲覧]
5)大森哲郎:本人・家族のための精神医学ハンドブック—こころの病気のやさしい教科書.日本評論社,2024
6)西丸四方:我亡霊を見たり.精神医学 12:2-3, 1970

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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