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特集 精神疾患への栄養学的アプローチ
文献概要
ヒトの遺伝子は,猿人の時代から何百万年も続いていた狩猟採集生活における生存に有利なように進化したと考えられる。しかし,食生活はこのわずか1万年程度の間に,農耕文化の時代を経て,精製・加工食品の時代へと大きく変化した。第一に,日本を含む先進国では食糧が豊富にあり,ほとんどの人は飢餓に苦しむことはなくなった。さらに,車社会の発展による運動不足により必要な摂取エネルギー量も低下し,エネルギー過剰摂取になっている人が増えている。また,加工食品の増加や食の欧米化により,ヒトが本来摂取すべき栄養のバランスが崩れてきている。そうした急速な環境/生活習慣の変化に遺伝子の進化が追いつくはずもなく,それによって糖尿病,高血圧,循環器疾患,脳血管障害などの生活習慣病が生じた。こうした食生活の変化は精神疾患の発症や予後を規定する重要な要因にもなることは,本特集の他稿で詳細に述べられている。
しかし,「文明化の過程で人類は進化しているはずであり,食生活が悪化している」などということが起きているはずがない」と,漠然と思っている人も少なくない。そこで,本稿では,現代の食生活における問題について少し詳細にみてみよう。
しかし,「文明化の過程で人類は進化しているはずであり,食生活が悪化している」などということが起きているはずがない」と,漠然と思っている人も少なくない。そこで,本稿では,現代の食生活における問題について少し詳細にみてみよう。
参考文献
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